分母を大きくすることの大切さ
私は大学卒業後、アパレル会社で営業マンとして6年間勤務しておりました。当時担当していた、とある全国展開をするチェーン店(ロードサイド型カジュアルショップ)が毎週打つチラシについて考えたことがあります。
「週末に割引をする」チラシを打つのです。
普通に考えると、「週末よりも平日の方がお客様が少ないのだから、平日割引する方が平日の来店客数が増えて店の売り上げも増えるだろう」と思いますよね。
だったら、「チラシを打たないでも来店客が多い週末に割引を何でわざわざするのだろう?みすみす利益を下げるだけじゃないか」と考えたのです。皆さんも同じことを思うでしょう。当時の私は本気でそう思っていました。
でも、それをしない。
なぜか?
当時の相手先の社長(その当時で100店舗以上展開していた企業です)が、いちメーカーである私たちの為にわざわざ時間を取ってくださり、こう仰いました。
「人が集まる週末だからチラシを打つのです」
その社長はそれだけ仰いました。マーケティングのマの字も知らない、当時の20代の私には全く理解が出来ませんでした。
今なら理解できます。至極当然の、当たり前の、普通の、王道のチラシの打ち方です。逆の立場なら間違いなく私もそうするでしょう。実際多くのチラシがそういう風になっている筈です。気にしてチラシや、各企業のプロモーションを見てみてください。
どういうことか?
単純です。平日は来店しないのです。どんなに魅力的なチラシを打っても効果は限定的でわずかなのです。
考えてみてください。私たちみたいな飲食店の場合を考えるとわかりやすいです。普通の会社員は月曜から金曜まで仕事で、土日が休みです。月曜日などの「平日に割引のある飲食店」に果たしてあなたは行きますか?次の日も朝は早いのです。都内勤務の埼玉県在住の会社員は6時には起きて7時には家を出るのです。
大抵の人は行きませんよね(もちろん、ある一定数は行きますが効果は限定的です)。
だとすれば、飲食店はどうすれば平日の来店客を増やすことが出来るのか?
ココが今日のミソです。
週末の来店客数を圧倒的に増やすのです。あふれ返すのです。
えっ?!だって飲食店って席数に限りがあるから、それ以上お客様が来たって入れないし、売上にもつながらないじゃないかと思うことでしょう。その通りです。でもそれでいいのです。
平日に集客するよりも、週末に集客する方が楽ですよね。だって平日よりも週末に外食する方が圧倒的に多いですものね。
週末に入れなかったお客様が、「週末は忙しそうだから、次回は平日に行ってみよう」というお客様が一定数出てくるのです。
今日のまとめです。
週末や繁忙期などの集客しやすい時に、にとにかく集客し、売り上げを最大化します。商売の基本は「売れる時にひたすら売りまくる」ということです。
つまり、こうすることで分母が大きくなります。満席で入れなかった人を含め、
来店する分母をとにかく大きくするのです。
そうするとどうなるか?
平日や閑散期に来店する人が増えるのです。
連日、予約で満席なんて店ももちろん存在しますが、そんな店はごく一部です。レアケースです。そんな店を傍目に「うらやましいなあ」と思っていても何も始まりません。私たち小さな飲食店は実際良い日もあれば、そうでない日もあります。そうでない日を出来るだけ少なくしていくには、週末や繁忙期の集客について徹底的に考えてみて下さい。きっと道は開ける筈です。