看板の力は絶大なのだ
久しぶりの投稿になってしまいました。
ここ3か月ほど、自宅のフルリフォームをしておりまして、新しく家具を買ったり、いらないものを捨てたり、掃除をしたりしている毎日でした。夜は店に出勤です。これじゃあ、ブログも書けません。
とブログを更新できない理由を挙げてみました。
典型的なダメなパターンですね。こうやって、出来ない理由を挙げるのです。
何か理由があって出来ないのではなく、やらない為に理由を後付けするのです。
ああ、反省。
大抵の人はそうです。
だから
やる人間とやらない人間とには大きな開きが出るのです。
ああ、反省、反省。ひたすら反省。激しく反省。
さて、気を取り直していきますよお!!
私は洋服を買いに、たまーにジーンズメイトに行きます。
家の近くにあるからです。
ユニクロよりは多少センスが良くて、ライトオンよりちょっと下みたいな中途半端なカジュアル衣料チェーン店です(ジーンズメイトさんごめんなさい。でも好きよ)。
そのジーンズメイトの外看板が変わっているのに気が付きました。
(上の写真は従来の看板、下の写真は新しい看板)
今まで、「黄色と青のダサい看板」から「白と赤を基調にしたすっきりした看板」になっているのです。あら、ちょっとお洒落になっちゃいましたね。どこかのメガネ屋さんみたいな感じです。
気になって調べてみたら、最近、ジーンズメイトはライザップに買収されたんですね。それを期に看板も新しくなったみたいです。どうやら、ライザップはアパレル業界に進出しているみたいで、業績不振のアパレルメーカーや小売りを買収しているのだそうです。
私は「ダサいというのは強烈な個性」だと考えています。
だから、今回のジーンズメイトの新しくなった「スッキリお洒落看板」には違和感を覚えたのです。
これじゃあ、客は来ないよなあ、と瞬間的に思ったのです。
ジーンズメイトは「ちょっとダサいから敷居が低くて入りやすかった」と思っていたからです。
でも、実際はどうでしょう。
調べてみたら、経営権がライザップになってから、売り上げがV字回復と言うじゃないですか。ビックリです。近年は売上がピーク時の半減まで落ち込んでいたっていうんだから、ライザップの戦略がどれだけ凄いかということです。ライザップの株価も上がっているそうですね。
悔しいなあ、ライザップの戦略が気になってしょうがないです。ジーンズメイトV字回復の理由を徹底的に調べますね。商売のヒントが沢山見つかるんじゃないかと思います。いずれ皆さんにも何かしらフィードバックしたいですね。
今日のまとめ
大手は「スッキリしたお洒落な販促」を仕掛けてきます。
土着の個人店は「手作りのダサい販促」をして、大手との違いを出しましょう!
男はくさいよ! 「不安を煽って商品を売る」のはマーケティングの基本
最近、テレビを見ていると「衣類用洗剤のCM」が大量に流されていることに気づきましたか?
暑くて汗をかく時期に衣類用洗剤のCMを大量に流すのは当然ですね。同じ内容を真冬に大量に流しても売上には大きく貢献しません。
「適切なタイミングで大量に宣伝する」
ことがいかに重要かわかります。
他には年末の大掃除の時期になると、ダイソンの掃除機やケルヒャーの高圧洗浄機がやたら登場します。ジャパネットは毎日これです。毎年これです。正直毎回同じなので「またかよ、いい加減にせえ」と思っちゃいますが、みんな買っちゃうのですね。
さて、今日はこのタイミングの話も含めた「不安を煽る」ということにフォーカスして考えてみたいと思います。
衣類用洗剤について取り上げます。
「男脂臭」がどうやらキーワードのようです。
写真の女子高生からも「お父さんクサーい」という声が聞こえてきますね。
加齢臭とは違う、男性特有の廃油のような使い古した油の臭いだそうです。
「男脂臭」なんて言葉は10年前までありませんでした。
ここ数年ですね。この(忌々しい)言葉を聞くのは。
➀男には男脂臭があり、全員殺人的にクサい
➁世の女性はみんな不快に思っている
③女性の人権・生存権が侵されている
④この悪臭を根絶しなければならない
⑤この洗剤を使えば、男脂臭を除去でき、この不快から解放される
⑥女性はハッピーになる
こういう図式ですね。
どのメーカーも同じように「男脂臭を除去する」という宣伝をしています。
そう、つまり
不安を煽って、商品を売る。
これってマーケティングの基本的なスキルです。
他の例をあげると
〇月〇日までの期間限定です!!
〇〇個限定です!!
当社だけのオリジナル商品です!!
今買わないとなくなりますよ。
買わないと損しますよ。
他では手に入りませんよ。
良いのですか?
買わなくても良いけど、あなたの人生お先真っ暗ですよ。
でも、これを買うとあなたの悩みは解決され、最高にハッピーになれますよ。
今買わないでいつ買うのですか?
さあ、買いましょう。
(2個買うと更にお得ですよ!)
この様に不安を煽りまくって売るのです。
どの商品の売り込み方も、だいたいこんな感じになっています。
ぜひ皆さんも気にして見てください。意外と笑えますよ。
さてさて、世の男は例外なく殺人的にクサいのだ?!
確かにクサいですよ。両手を挙げて降参します。
でもね、数年前まで「まあ、しょうがないか」「男なんてそんなもんだよね」という程度だったと思うのです。
それが、「男脂臭」なんて言葉を使い、
男 = クサい = 不快 = 女性への人権侵害
という構図を勝手に作り出し、商売に結び付ける洗剤メーカー。
明らかに男性に対する人権侵害です。悪意があるとしか思えませんね。
これがね、男と女が逆だったらどうなる?
女 = クサい = 不快 = 男性への人権侵害
「8×4」のような「女性向け制汗スプレー」のCMで、こんなこと言ったら、総スカン決定だし、商品は売れないし、確実に速攻裁判です。田島陽子が鬼の形相ですっ飛んできますよ。なんだったら、裁判所でテリー伊藤と田島陽子のガチ対決が見たいくらいです。
ああ、男ってツラいなあ、としみじみ思うわけです。
今日のまとめ
不安を煽る ⇒ その不安を解決する提案をして商品を売る
でも、不安を煽り過ぎると反発を食らうこともあるから、気をつけよう。そう、男は怒っているのだよ。
肩書や権威ってやっぱり強いなあ。僕らは自分の頭で判断しているようで、全くしていないのね。
先日、郵便局に行ったのですが、「おぼんだま」なんていうポチ袋が売っているのですね。つまり、正月のお年玉みたいに、「夏休みに遊びに来た親戚の子供に小遣いをあげよう」ということです。
引用 http://www.post.japanpost.jp/index.html
「おぼんだま」というのは私は全く知らなかったのですが、調べてみたら、2010年からポチ袋が販売されているのだそうです。
「お盆玉」「おぼんだま」がどこまで浸透しているか分かりませんが、個人的には流行らないでほしいです(笑)。ああ、何という恐ろしい世の中なのでしょうか?これ以上、おっちゃんから小銭を巻き上げないでほしいです。
これってビジネスにおいてとっても大事なヒントが隠されていますね。
従来、何もなかったところに、需要を作りだす。
実はこのパターンって、いろんなところにありますね。
たとえば、
「バレンタインデー」
「ホワイトデー」
「ジューンブライド」
「七福神めぐり」
「誕生石」
パッと思いつく有名なものを上げてみました。今ではすっかり定着しています。
飲食業界(まあ、どの業界も同じですが)に目を転じると、面白い例があります。
「コンクール」です。
自分たちでコンクールを作って、賞を与えて、「俺の商品凄いんだぜ」「うちのスタッフ凄いんだぜ」って言っちゃうのです。
良くある「スマイルコンクール」なんてそうですね。お客様に「笑顔の良かったスタッフに投票して下さい」っていうアレです。
ベルギーの「モンドセレクション」という国際食品品評会って聞いたことありますか?「食のノーベル賞」なんて言ったりするそうです(おいおい大げさだろ!)。日本の企業も多く参加し、「〇〇年連続金賞受賞!!」なんて広告を皆さんも見たことありますよね。サントリーモルツなんかそうです。CMでも大きく謳っています。
でも、あれって実は出品した商品の80%が入賞するそうです。しかも国際的には無名なコンクールらしいです。「大阪の水道水」や「くら寿司」も受賞しています。おいおい。まあ、くら寿司好きだし良く行くけど…
調べてみるとすぐにわかるのですが、どうやら下記のような審査基準だそうです。
モンドセレクションの役割は、メーカーが宣伝広告などで主張する性質をテストするのではなく、消費者が目安とする製品の成分表やパッケージなどに嘘偽りがないかを検証することにあります。
つまり、美味しいかどうかは全く関係がないということですね。
そう考えると、モンドセレクション受賞を商品(味)のクオリティに結びつけて宣伝文句にするのは、ぶっちゃけ詐欺じゃないかと思ってしまいます。
「おぼんだまってみんなあげてるよ」
と聞いたら、「そうか、じゃあ、あげなきゃだね」と思ってしまいます。
「モンドセレクション金賞ってすごいんだよ」
と聞いたら、「そうか、そんなに美味しいんだな。よし食べてみよう」と思ってしまします。
誰かが「美味しい」「スゴイ」「楽しい」「みんなやっているよ」と言っているものは「自分も試したい」と思うのですね。
だから「フォーリンデブはっしー」が紹介する店が流行ってしまうわけです。
僕らは何かを選ぶ時、95%は無意識のうちに決定しているそうです。
だから、肩書や権威って強いんですね。
今日のまとめ
「提供する側がどれだけ自分の商品が凄いか」と宣伝するよりも、別の誰かが「この商品はスゴイ」と言った方が信憑性がある。
もし、「別の誰か」がいなければ、自分で「別の誰か」を作ってしまえばよい。(例えば、賞やコンクールなど)
「ハゲ」とは最強のブランドである。「自民党豊田議員の発言をマーケティングの側面から考えてみる」という無駄なブログ
「このハゲーーーーーーッ!!!」
かつてないほどのインパクトです。
私も今年一番の衝撃です。
トレエンの斉藤さんが「ハゲの人権を向上」させたにもかかわらず、彼女の暴言は一瞬にして「ハゲの人権を地に貶めた」とも言えるかもしれません。
それくらいのパワーワードです。
間違いなく、次の選挙においてハゲの人は彼女に投票しないでしょう。投票するのは「高学歴の女性に罵倒されるのが好きなマゾなハゲ」という少数民族だけですね。
ぜひ、アメリカのトランプ大統領にも「このハゲーーーーーーッ!!!」と罵倒して欲しいものです。
今回は「豊田議員の政治家としての資質」や「ハゲが差別用語であるかどうか」ということは一切脇に置いておこうと思います。私の個人的な感情も排します。
今回の被害に合われた方はきっと「ハゲている」と予想されます。
では、仮にハゲていなかったら、どうなるか?
「このチビーーーッ!!」
「このデブーーーッ!!」
「このブサイク野郎ーーーッ!!」
「この眼鏡ーーーーッ!!」
「ハゲ」ほどのインパクトはないにしろ、ほぼ同等のパワーがあります。
これが「ハゲ・チビ・デブ・ブサイク・眼鏡」でもなく「イケメン」だったらどうなるか?
「このイケメンーーーーッ!!」
とののしっても、きっとそのあとには
「まあ、今回は許してやる」と続きそうです。
ええと…イケメンはともかく、何が言いたいかと言うと、
「ハゲ」を始めとする身体的な特徴は「強力なブランド」だと捉えることが出来ます。
だからこそ、トレエンの斉藤さんはあそこまで上り詰めたのです。
「ああ、あのハゲている人ね」
と仲間内で話せば、
「そうそう、あの人あの人」
と例え名前が分からなくても、誰だか一発で通じ合えちゃうのです。
これはもう立派なブランドだと言っても良いと思うのです。
(以下、余談)
日本人のハゲ・薄毛の割合は20%強だそうです。ということは意外と多数派かもしれませんね。ハゲにも種類があって、M字・O字・U字・A字など多数あるそうです。ハゲの世界も奥が深いですね。
(以上、余談)
さて、話を少しビジネスに戻します。
「ブランド」とは以下のように概ね定義できると思います。
ブランドとは、会社や製品など「個」に抱く知覚(イメージ)の総称。お客さまや市場などの社外の人々が持つイメージだけでなく、社員や株主などの内部の関係者が持つイメージも含む。
もし、あなたが飲食店を経営していて
「あなたの店はどういう店ですか?」と聞かれたら何と答えますか?
「イタリアンです」「フレンチです」「和食です」「居酒屋です」「カフェです」
などと答えるかも知れません。
でも、これって良く考えると、別にあなたの店じゃなくても、そんな店はそこら中にあふれているのです。つまり、何の説明にもなっていないのですね。
でも、次の様だったらどうでしょうか?
「生パスタ専門店です」であれば、何となく料理が想像できるので相手に多少通じそうな気がしますね。
「10種類のカルボナーラが自慢の生パスタ専門店です」であれば、もっと興味を引きそうですね。「近くを通ったら行ってみたいな」と思うかもしれません。
「10種類のカルボナーラが自慢の生パスタ専門店なんだけど、マスターがゲイで、さらにプロの占い師でもあるんだ。そして男性は入店できない、女性だけの店」だったら、行列が出来る繁盛店になりそうですね。
極端な例を出しましたが、
「あなたは何の店をやっているのですか?」と聞かれて、即「〇〇の店です」と自信を持って言えるだろうか?
私の店は店内に「三輪車」や「ハンモック」があるのですが、
一回来たことのあるお客様には、店名は忘れても、
「ああ、三輪車の店ね」「ああ、ハンモックのある店ね」
と覚えてもらい易いのです。
当然、提供している料理にも特長を持たせているので、私の店の場合は説明しやすい。
(もちろん最初から、それを狙ってやっています)
私は料理だけでは差別化できないと思っているので、料理以外に
「内装」
「外装」
「POP」
「スタッフ」
などに特長を持たせると、間違いなくあなたの店を覚えてもらえる(広義のブランド化)確率が高くなると思います。
今日のまとめ
自分の店は「〇〇の店です」とインパクトのある短いフレーズで答えられるようにする
そして、それを宣伝しまくることによって、自店をブランド化する
プラネタリウムを見てきました。ターゲットの重要性について改めて考えさせられました。
プラネタリウムを見てきました。
私のうちの近くに児童館があって、そこにプラネタリウムがあるのです。
家の近くにプラネタリウムがあること自体、とても珍しいと思います。
そう、歩いて5分も掛からないところにあるのです。
当然、児童館なので毎日子供たちで溢れかえっています。
私も小さいころは良くこの児童館に遊びに行っていました。
かれこれ30年前のことです(ひえーそんな前かあ)。
幼児から小学生低学年が遊びに行く市営の児童館です。
私も私の子供もこの児童館が大好きです。
滑り台があったり、積木があったり、いろんなおもちゃが沢山あります。絵本の読み聞かせもあるし、幼児向けの様々なイベントも開催されているので、私のような小さい子供がいる家庭にはとても重宝する無料の施設なのです。
その児童館にプラネタリウムがあるのです。
プラネタリウムがある時点で、「何と贅沢な!」と思われるでしょうが、その内容が「どうもなあ…」なのです。
専門用語連発なのです。大人の私でも理解に時間がかかります。というか理解できません。仮に星座に興味があったとしてもです。使っている言葉が専門用語なので幼児に理解できるとは到底思えない内容です。
もう一度申し上げますが、児童館です。この児童館に来るのは同然児童です。幼児から小学生低学年までなのですね。
ということは、プラネタリウムもその年代に合わせた内容であるべきです。
でも、今日のプログラムは大人でも理解に苦しむ内容なのでした。しかも暗闇の中で投影されるプログラムの時間は40分もあるのです。大人でも眠くなりますね。
この児童館のターゲットとなるお客は誰で、そのお客に対してどういうサービスをするべきのか?という基本的なスタンスが掛けているです。
恐らく、今日見たお客は再訪はないでしょう。
もったいないなあと思います。
と同時に自分の店も果たして自分の求めるお客に対して、自分の店の価値をちゃんと正確に伝えることができているだろうか?と考えさせられました。
実は意外と「中の人間」は自分サイドのことは分からないのです。ついつい自己満足の世界に陥ってしまうのです。ここに「中の人間」と「お客様」の間に大きな乖離が生まれるのです。
今日のまとめ
自分の店に来てほしいターゲットは誰なのか?
ちゃんと設定できていますか?
そして、そのターゲットに対して、ちゃんと正しい方法でアプローチ出来ていますか?
仕事と遊びの境界線
お陰様で当社の1号店は7月で11周年を迎えます。2号店は5周年です。
11年続けて来られましたが、振り返ってみると特に苦労したことはありません。
体力的につらい時は何度もありますが、「もう辞めたい」「こんな仕事つまらない」などと思ったことは、今まで一度もございません。
確かに、私にはパートナーがおりましたし、地元だというビジネス上のメリットもあるのですが、一番は、私には「オンとオフがない」ということにつきます。
オンとオフの境界線がないのです。
仕事と遊びの境界線がないのです。
仕事が遊びだし、遊びが仕事なのです。
「ワークライフバランス」なんていう言葉を良く耳にしますが、私の場合は当てはまりません。遊んでいる時(店にいない時)も仕事のことを考えているし、仕事をしている時も遊びのことを考えています。
一方、あなたはこういう風に思っていませんか?
「仕事」
= ツラいもの、乗り越えるもの、堪えるもの、我慢するもの、生活する為に仕方なくするもの、退屈なもの
「プライベート」
= 仕事とは全く別の次元の世界、楽しむもの、リラックスするもの、人生の醍醐味
人それぞれ考え方があって良いです。こういう考え方を否定するつもりは毛頭ありません。というか多く人がこのように考えているでしょう。それを考えるとこの考え方は標準なのかも知れませんね。
皆さん良くご存知の「フランフラン」を展開する株式会社バルスの社長は次のように公言しています。
「遊ばない社員はいらない」
ああ、全くそうだなと私も思います。
おそらく、ビジネスチャンスってそこら中に転がっています。
でも、そのチャンスに気付く人って少ないです。いや、ほとんどいません。
何故かって、仕事とプライベートを分けて考えているからです。
恐らく、「仕事」と「遊び」を別次元で考えていると、「新しい発想」「面白い発想」は出てこないのだろうなと思います。
古いところだと、所ジョージさんなんか良い例ですね。最近の例だと、ヒカキンなど今稼いでいるユーチューバーを見れば一目瞭然です。遊びと仕事の境界線が全くありません。これからの時代はどんどんそういう傾向になっていくはずです。
仕事に対する考え方が、ここ数年で完全にパラダイムシフトしているのだろうと思います。
このブログは主に「小さな飲食店の経営者の方」に向けて書いています。
もし、このブログを読んでくれているあなたが経営者であるならば、ぜひ仕事と遊びを分けて考えないで下さい。仕事も遊びも同一線上で繋がっているのです。そこに境界線は存在しません。
今日のまとめ
仕事を遊んじゃってください。
遊びを仕事にしちゃって下さい。
「普通の定義」を「提供する側が決めちゃえば良い」のだ。きっと、そうしたら儲かるぞ(保証は一切しないけど)。
久しぶりに小さな(でも結構効果的な)売上アップのテクニックを書こうと思います。
今日は「普通」についてです。
「普通」の定義は難しいですよね。
例えば、この写真の女性は可愛いですか?
私は「最高に可愛い」と思いますが、人によっては「可愛くない」だったり「普通だ」という場合もあるでしょう。
「普通」って何でしょうか?
普通のサイズ、普通の味、普通のルックス、普通の人、普通のコース、普通の人生、普通のデート、普通の収入、普通のビール、普通の本、普通の音楽、普通の小学生、普通の大人・・・・
普通、ふつう、フツウ・・・
「平均」とはちょっと違う気がしますね。
「普通」って人によって、その基準が微妙に違うのです。
極めて主観的だし、曖昧模糊としていて、ボヤーッとしています。
「普通」って何なんだ?分かりませんね。日本国民の統一の定義はないのです。
だったら、
提供する飲食店の私たちが「普通」の定義を決めちゃえば良いのです。
(おお!何て大胆な提案!!)
私の店舗でビールのサイズに関して、次のような試みをしてみました。
今まで
ビール レギュラーサイズ(300ml) 500円
ビール ラージサイズ(450ml) 650円
これを下記のように表記を変えてみました。
ビール スモールサイズ(300ml) 500円
ビール レギュラーサイズ(450ml) 650円
実際入っている量は同じです。サイズの表記のみを変えてみました。
結果、売上はどう変わったか?構成比を見てみます。
今まで
レギュラーサイズ 40 対 ラージサイズ 60
新表記
スモールサイズ 20 対 レギュラーサイズ 80
大きいサイズの注文率が1.3倍になりました。
では、売上金額で見るとどうか?
同じ100杯出ると仮定すると
従来
500円×40杯+650円×60杯=売上59000円
新表記
500円×20杯+650円×80杯=売上62000円
売上5%アップです。
「たかだが5%かよ」と思いますか?
私たち飲食店は数百円単位で四苦八苦している業界です。
5%は決して小さい数字ではありません。
この一見小さい数字の積み重ねが、最終的には大きな違いを生みます。
また、当店では同じような例が他にもたくさんあります。
一例をあげると、以前は「4000円の飲み放題付き宴会プラン」が一番人気のプランだったんですね。それを、ある時から「4500円の飲み放題付き宴会プラン」を「スタンダードプラン」と名付けたのです。そうすると、この4500円のプランが一番注文が入るようになったわけです。
今日のまとめ
「普通」は人によって定義が大きく異なるので、提供する側が(店都合で)「これが普通ですよ」と堂々と言い切りましょう。
ジャパネットたかたで掃除機を買いました。
久しぶりに、ジャパネットたかたで買い物をしました。
掃除機です。
実は、ダイソンを2台持っているので、今新しい掃除機を買う必要は全くないのです。でも、テレビを見ながら、スマホのサイトで購入ボタンをバレーボールのAクイックよりも速く、速攻でポチッと押してしまいました。
掃除機って違いがやや分かりづらいですよね。
番組ではどの機種も「吸引力がいかに凄いか」を、これでもかと見せつける。
だから、用途や形の違いでタイプ(タイヤ付き、ハンディ、スティック、ロボットなど)を選択したら、その先は値段でしか判断できない。こうなると結局は価格競争になる。
今回私が買ったものも同様で、過去に何度も見た他の掃除機と変わらない「吸引力の凄さ」を謳っていました。特殊なホースを取り付けて、ビリヤードの球を5個も吸い込んでいました。こりゃスゴイ。各メーカーの掃除機の吸引力対決をやってほしいですね。
さて、この吸引力の凄さだけなら、おそらく私はこの掃除機を買わなかっただろうと思います。だって、ダイソンを2台も持っているんだもん。
では、何故私はこの掃除機を選んだのか?
バレーボールの高速Aクイックよりも早いスピードで購入ボタンを押したのか?
そう、他にはない機能があったのです。
ブロワ(吹き飛ばし)機能がついていたのです。
ゴミを吸い込むだけではなく、「ゴミを吹き飛ばす」機能がついているのです。
何が便利かと言うと、玄関先に溜まった落ち葉を吹き飛ばす、車の洗車後に水を吹き飛ばすなどの使い方が出来るのです。
今までの掃除機にはない機能です。
この独自の機能を
「USP(Unique Selling Proposition)」と言います。
「独自の売り」あるいは「独自の売りの提案」
というマーケティング用語です。
商売をする上でこのUSPという考え方は非常に重要です。
どこにでもある商品なら、価格が安い方に流れます。当たり前ですね。
私たちは電気屋で商品を試して、安いネット通販で買うのです。
私の店の売りは「キッシュ」「玄米リゾット」「梅酒」「日本ワイン」という近隣の他の店舗がどこもやっていない商品で差別化しています。
こんなことを言うと、
「うちには独自の商品なんかないよお」
と言う声が聞こえてきそうです。
大丈夫です。安心してください。
誰にでも、どの店にでも絶対にUSPが存在します。
「他の店はやっていない商品」でなくてもOKです。
つまり上記にも書いた通り、
他の店がやっている、全く同じ商品でも「独自の売りの提案」をすれば良いのです。
ほとんどの店は「商品名と値段」しか書きません。
例えば、
「野菜カレー 950円」
まあ、ほとんどの店がこんな感じです。
それを次のように書いたらどうでしょうか?
「じっくり2日間掛けて煮込みました。地元農家の加藤さんが愛情込めて作った季節の野菜が10種類入った10食限定健康カレー 1200円」
商品は全く同じものです。ですが印象が全く違いますね。
しかも後者の方が高くしても売れる筈です。
そして、それを食べたお客様は「美味しい」と価値を感じて帰っていきます。
さらに口コミも起きるかも知れませんね。
「独自の売りの提案」とはこういうことです。
しかも、飲食店というのは他の業種よりも土着の傾向が非常に強いです。
同商圏内でこういう売り方をしている店がない限り(たぶんないハズ)、あなたの店は間違いなく野菜カレーの1番店です。
こういうことは他の店には教えちゃいけません(笑)。
自分の店だけやって儲けましょう!
今日のまとめ
あなたの店の「独自の売り」「独自の売りの提案」は何ですか?
徹底的に考えてください。
必ずしも新しい商品を開発する必要はありません。
今あるメニューのなかに「あなたの店にしかないモノ」が存在します。
それをお客様にちゃんと伝えましょう。
突然、あなたの目の前に白馬に乗った王子様は絶対に現れませんし、「70億人の中から君を見つけたんだ」なんて口説き文句も嘘だっつーの。
今日は恋愛の話でもしようかしら?
突然ですが世界の人口って何億人だかご存知ですか?
はい、正解は約74億人です。
よくJPOPの歌詞や小説・映画で出てくる超くさいセリフ
「70億人の中から君を見つけたんだ」
なんていうのがあります。
それほど、「君は僕にとって特別な存在なんだ」という口説き文句ですね。
世界の全ての人(70億人)に会うなんて不可能です。当たり前ですね。一人に1秒掛けても、70億秒かかります。何年かと言うと230年以上掛かるわけです。
つまり、70億人の中から君を見つけたというのは「明白な嘘」なのです。
もちろん比喩なので、その人が何人と会って君を選んだか知りませんが、大抵、学校が一緒だったり、職場が一緒だったり、そんな感じだと思います。
ああ、何て世界は狭いんだ!!
70億人ではなく、せいぜい数十人、数百人の世界ですww
さて、あなたは
「単純接触効果」
という言葉を聞いたことがありますか?
初めのうちは興味がなかったり、苦手だったりしたものも、何度も見たり、聞いたりすると、次第によい感情が起こるようになってくる、という効果。たとえば、よく会う人や、何度も聞いている音楽は、好きになっていく。これは、見たり聞いたりすることで作られる潜在記憶が、印象評価に誤って帰属されるという、知覚的流暢性誤帰属説(misattribution of perceptual fluency)で説明されている。また、潜在学習や概念形成といったはたらきもかかわっているとされる。
図形や、漢字、衣服、味やにおいなど、いろいろなものに対して起こる。広告の効果も、単純接触効果によるところが大きい。CMでの露出が多いほど単純接触効果が起きて、よい商品だと思ったり欲しくなったりするのである。
以上、ウィキペディアより引用。
単順に言うと、
「何度も接触していると好きになっちゃう」
ということです。職場恋愛が多いのはそういう理由です。
毎日顔を合わせているうちに、好きになっちゃうのです。
突然、あなたの目の前に白馬に乗った王子様なんて現れないのですよ。
今いる職場にあなたの「運命の人」はいるのです。
毎日のようにテレビで見る芸能人に偶然街で会ったら、親しい友だちに会ったかのように思わず話しかけちゃうのです。初めてあったにもかかわらずです。
中学の同級生が美容院を営んでいれば、そこに行こうかなと思うし、知り合いが農業をしていたらそこから野菜を買おうかなと思うし、大工をしていたら家のリフォームはその人に頼もうかなと思うわけです。
つまり、
誰だか知らない人より、知っている人から買いたいと思うのです。
だから、大手企業は何億と言う大金を使って、テレビCMを打ち続けるのはそういう理由です。
「情報を発信し続ける」
これって商売の基本なんですね。
ただし、大切なのは
「自店のターゲットがいるところ」に対して情報を発信し続ける
ということです。ターゲットがいないところに販促をしても効果はゼロです。
だからこそ、どんなコンサルも必ず言うのが「自店のターゲット」は誰なのか?
これがとても重要なのですね。ターゲットに関してまた日を改めて考察しますね。
今日のまとめ
ターゲットがいる場所に、常に発信し続けることが大切
ほら、この写真だって何度も見ていると、きっと私のことが好きになっちゃいますよ?!
飲食店の予約キャンセル対応は遅れている。「客と店」は「SとM」の関係なんだと思う。
予約をした団体が来ない!連絡してもつながらない。困った大損だ。
という店側の悲痛な叫びをネット上で良く目にします。
先日、私の店でもありました。週末の稼ぎ時です。13名の予約客が来ません。
30分経っても来ないので電話をすると「先日キャンセルの電話をした」と言うのです。
もうこうなると、どうにもなりません。
■店側がキャンセルの電話を受けたにもかかわらず、忘れていた。
■お客様がキャンセルの電話を掛けたつもりになっていた(実際は掛けていない)。
言った言わないの世界になり、電話が来たかどうかは、その場で証明不可能ですから、結局は店側が折れる以外にありません。いくらお客様やスタッフを追及したところで時間の無駄です。
5000円コース × 13名 = 売上65000円 の損失です。
また、最近は外国人観光客の無断キャンセルが都内では頻発し、問題になっています。外国人観光客の団体の予約を受けない、あるいはホテルコンシェルジュ経由やクレジット会社経由の場合のみ予約を受けるという店も出てきているそうです。
対策は私がわざわざここに書くまでもなく、いろんな人が書いています。なので、今回は割愛します。
私はちょっと違った視点から、飲食店のキャンセル問題を考えてみたいと思います。
ホテルも飛行機もキャンセル料金は当たり前に存在します。「前々日50%、前日80%、当日100%」などというアレです。コンサートのチケットなど前払いの場合、当日行けなくなったからといって、返金などしてくれません。どの業界も大抵キャンセルポリシーがあります。
しかし、
何故か飲食業界だけ大幅にこの対応が遅れています。
この問題の根幹にあるものを少し掘り下げて考えたいと思います。
「店がバカだ」、あるいは「客がバカだ」、とどちらか一方を非難しても問題の本質は見えてこないと思います。
双方に問題があると私は思うのです。
飲食業界側の問題点と、客側の問題点と二つに分けて考えます。
➀飲食店側の問題点
飲食業界(サービス業全般と言い換えても良いです)で働く人は総じて人が良いです。バカがつくほど良いです。お客様にサービスして喜んでもらうことが、自分の喜びと同義と思っています。素晴らしい考えです。否定しません。むしろ称賛します。
でも、行き過ぎるのです。例えば、冬の寒い日にお客様から預かったコートのポケットに、退店間際に温かくなった状態のホッカイロを入れちゃいます。私がそんなサービスされると「正直キモイ」です。手渡しでホッカイロをくれるなら嬉しいですが、知らないうちにポケットにホッカイロを入れられるとキモイです。勝手にポケットの中にモノを入れないで欲しいです。でも、飲食店のスタッフはこれこそが最高のサービスだと思っています。
また「出来ないものを出来ない」と言えないのです。明らかな無理難題にも答えようとします。店が損してもやります。さっきのホッカイロの例のように、行き過ぎた忖度をします。「お客様は神様です」などと今だに本気に考えている人がいます。神様という言葉を使わなかったとしても、自分たちよりお客様の方が立場が上だと思っている人が多いのです。顧客満足度という言葉を完全にはき違えています。
店とお客の立場は「同じ」です。上でも下でもありません、同等です。
➁客側の問題点
お客様は日本の圧倒的なサービスレベルの高さに慣れてしまいました。高級店ならまだしも、低価格を売りにする店にまで高いレベルを求めてしまうのです。これはいけません。先日のブログでも書きましたが、誤解を恐れずに言い切ります。安い店には安い客が集まるのです。そして、スタッフも安いのです(あくまで利用動機の話で人間的な上下の問題ではないです)。
私の店にも理不尽なことを言う人が来たことがあります。開店30分前に掃除をしていると、ある男性が入ってきました。まだ掃除をしていたので、「開店は〇〇時になります。もう少しお待ちください」と答えました。そうしたらその男性は私に何と言ったと思いますか?「開店30分前なのに何で入店出来ないんだ!」と大声で怒鳴ったのです。本当の話です。全く理解できません。当然、お帰り頂きました。(もし、土砂降りの雨の中、開店時間を間違えて来店したのなら、掃除中でも入店させていたでしょう)
客は「自分が店より上」だと思っています。店は客の言うことを何でも聞くものだという意識があります。もちろん全員ではありませんが、一定割合存在します。事実です。そう言う人は平気で値切ってきます。「無料で大盛りにしろ」と言ってきます。連絡もせずに予約の時間に遅れてきても、謝る気配もありません。
重要なのでもう一度言います。
店とお客の立場は「同じ」です。上でも下でもありません、同等です。
ここまででわかることがあります。
客は「自分が店よりも上」だと思っている。
店は「自分が客よりも下」だと思っている。
つまり、下世話に言うと
客はS、店はM
飲食業をはじめ、サービス業界はそういう構図になっているということです。
タチが悪いのは「客も店もそれで良し」「それが当たり前」と思っていることです。これが一番の問題点です。
Sの無理な要望に答えることが、Mには喜びなのです。
お互いがこのマインドであり続けるならば、予約キャンセル問題はなくなりません。
早急に改善されることを願います。
今日のまとめ
店とお客の立場は「同じ」です。どちらが上でも下でもありません。同等です。
そして立場が同等だからこそ、店も客も真剣になれるのです。
本当に素晴らしいサービスというものは、この関係からしか生まれません。