いきなり失速?!原価率って大切だよなあ。
「いきなりステーキ」が失速しているらしい。
大量出店によるカニバリ(自社競合)と昨年春の値上が原因?
既存店の客数と売上がガタ落ちだそうだ(2ケタ減の月も多い)。
いきなりステーキは原価率が55%程度と言われています。
飲食店の理想の原価率は30%(業種によって前後する)と言われているので、55%はアホみたいに高原価なわけです。
ちなみに牛丼の吉野家は35%、日高屋は20%台だから、いきなりステーキがいかに高いかわかります(ついでに言うと私の店は27%です)。
深刻な客離れが続けば、この原価率の高さは甚大な被害をもたらしますよね。
利益の少なさを人数でカバーしようとしているわけですから。
今後の日本における少子高齢化を考えるとゾッとします。
人口が減るわけですから、普通に考えたら客数(少なくとも日本人の客は確実に!)は減るわけです。
高齢者もあんな大きなステーキなんて食べに行きませんもんね。
そういえば、いきなりステーキがビジネスモデルをもろにパクった「俺の○○」も昔ほどの勢いがありませんね(最近は全く話題になりませんし)。
少子高齢化が進む日本において、「薄利多売」のビジネスモデルは成り立たなくなるのは必然です。
特にそのような店舗をチェーン展開するのは超危険です。
「鳥貴族」なんか典型ですね。
人手不足も深刻です。
たくさん客が来てくれなきゃ困る(薄利多売だから)。
たくさんの客をさばく為にはスタッフも多く必要。
でもスタッフが集まらない。
高い時給で募集してもスタッフが集まらない(飲食店はブラック企業と思われているから)。
しょうがないから外国人を雇う。
日本語もままならないから、サービスが低下する。
人口減少や外食需要の低下、サービスの低下でさらに客も減る。
こうなったら手の付けようがありません。
個人店なら何とかなるかもしれませんが、チェーン展開しているとどうにもなりません。
だからこそ、私たち個人店は「薄利多売」に手を出してはいけません。
絶対にダメ!
高粗利を目指すべきですよ。
うちの原価率は現状27%ですが、25%以下を目指しています。
付加価値をどれだけ付けることが出来るか?
高単価でも、いかに満足して買ってもらうか?
ここに注力すべきです。
実際うちの店舗でも、原価100円のものを売価800円(原価率12%!)で売って、月間売上点数ナンバーワンのような商品も多数あります。
ようはアイディア次第です。
「手間暇かけた良い商品をできる限り安く提供して、お客様に満足してもらいたい。それが飲食店の醍醐味です」という店舗は(飲食店に限らず)、確実に潰れていきます。
「どうやったらもっと高く売れるか?かつ満足してもらえるか?」を考えてみてください。
俺のイタリアン、俺のフレンチ―ぶっちぎりで勝つ競争優位性のつくり方
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上記のような本が出たのはもう何年も前のことです。
それがすべてを物語っていますね。
時代は大きく変わったという証左です。