男はくさいよ! 「不安を煽って商品を売る」のはマーケティングの基本
最近、テレビを見ていると「衣類用洗剤のCM」が大量に流されていることに気づきましたか?
暑くて汗をかく時期に衣類用洗剤のCMを大量に流すのは当然ですね。同じ内容を真冬に大量に流しても売上には大きく貢献しません。
「適切なタイミングで大量に宣伝する」
ことがいかに重要かわかります。
他には年末の大掃除の時期になると、ダイソンの掃除機やケルヒャーの高圧洗浄機がやたら登場します。ジャパネットは毎日これです。毎年これです。正直毎回同じなので「またかよ、いい加減にせえ」と思っちゃいますが、みんな買っちゃうのですね。
さて、今日はこのタイミングの話も含めた「不安を煽る」ということにフォーカスして考えてみたいと思います。
衣類用洗剤について取り上げます。
「男脂臭」がどうやらキーワードのようです。
写真の女子高生からも「お父さんクサーい」という声が聞こえてきますね。
加齢臭とは違う、男性特有の廃油のような使い古した油の臭いだそうです。
「男脂臭」なんて言葉は10年前までありませんでした。
ここ数年ですね。この(忌々しい)言葉を聞くのは。
➀男には男脂臭があり、全員殺人的にクサい
➁世の女性はみんな不快に思っている
③女性の人権・生存権が侵されている
④この悪臭を根絶しなければならない
⑤この洗剤を使えば、男脂臭を除去でき、この不快から解放される
⑥女性はハッピーになる
こういう図式ですね。
どのメーカーも同じように「男脂臭を除去する」という宣伝をしています。
そう、つまり
不安を煽って、商品を売る。
これってマーケティングの基本的なスキルです。
他の例をあげると
〇月〇日までの期間限定です!!
〇〇個限定です!!
当社だけのオリジナル商品です!!
今買わないとなくなりますよ。
買わないと損しますよ。
他では手に入りませんよ。
良いのですか?
買わなくても良いけど、あなたの人生お先真っ暗ですよ。
でも、これを買うとあなたの悩みは解決され、最高にハッピーになれますよ。
今買わないでいつ買うのですか?
さあ、買いましょう。
(2個買うと更にお得ですよ!)
この様に不安を煽りまくって売るのです。
どの商品の売り込み方も、だいたいこんな感じになっています。
ぜひ皆さんも気にして見てください。意外と笑えますよ。
さてさて、世の男は例外なく殺人的にクサいのだ?!
確かにクサいですよ。両手を挙げて降参します。
でもね、数年前まで「まあ、しょうがないか」「男なんてそんなもんだよね」という程度だったと思うのです。
それが、「男脂臭」なんて言葉を使い、
男 = クサい = 不快 = 女性への人権侵害
という構図を勝手に作り出し、商売に結び付ける洗剤メーカー。
明らかに男性に対する人権侵害です。悪意があるとしか思えませんね。
これがね、男と女が逆だったらどうなる?
女 = クサい = 不快 = 男性への人権侵害
「8×4」のような「女性向け制汗スプレー」のCMで、こんなこと言ったら、総スカン決定だし、商品は売れないし、確実に速攻裁判です。田島陽子が鬼の形相ですっ飛んできますよ。なんだったら、裁判所でテリー伊藤と田島陽子のガチ対決が見たいくらいです。
ああ、男ってツラいなあ、としみじみ思うわけです。
今日のまとめ
不安を煽る ⇒ その不安を解決する提案をして商品を売る
でも、不安を煽り過ぎると反発を食らうこともあるから、気をつけよう。そう、男は怒っているのだよ。