こだわりのお洒落なカフェは何故3年以内に閉店してしまうのか?飲食店の販促をアラフォーオヤジ目線で「おもしろおかしく」考えてみる

飲食店を2店舗経営しています。POP制作などの販促やオヤジギャグと飲酒を担当しています。私が作ったPOPやオヤジギャグを参考に飲食店の販促について「おもしろおかしく」オヤジ目線で考えます。

飲食店の予約キャンセル対応は遅れている。「客と店」は「SとM」の関係なんだと思う。

予約をした団体が来ない!連絡してもつながらない。困った大損だ。

という店側の悲痛な叫びをネット上で良く目にします。

 

先日、私の店でもありました。週末の稼ぎ時です。13名の予約客が来ません。

30分経っても来ないので電話をすると「先日キャンセルの電話をした」と言うのです。

もうこうなると、どうにもなりません。

 

■店側がキャンセルの電話を受けたにもかかわらず、忘れていた。

■お客様がキャンセルの電話を掛けたつもりになっていた(実際は掛けていない)。

 

言った言わないの世界になり、電話が来たかどうかは、その場で証明不可能ですから、結局は店側が折れる以外にありません。いくらお客様やスタッフを追及したところで時間の無駄です。

 

5000円コース × 13名 = 売上65000円 の損失です。

 

また、最近は外国人観光客の無断キャンセルが都内では頻発し、問題になっています。外国人観光客の団体の予約を受けない、あるいはホテルコンシェルジュ経由やクレジット会社経由の場合のみ予約を受けるという店も出てきているそうです。

 

対策は私がわざわざここに書くまでもなく、いろんな人が書いています。なので、今回は割愛します。

 

 

私はちょっと違った視点から、飲食店のキャンセル問題を考えてみたいと思います。

 

ホテルも飛行機もキャンセル料金は当たり前に存在します。「前々日50%、前日80%、当日100%」などというアレです。コンサートのチケットなど前払いの場合、当日行けなくなったからといって、返金などしてくれません。どの業界も大抵キャンセルポリシーがあります。

 

しかし、

何故か飲食業界だけ大幅にこの対応が遅れています。

 

この問題の根幹にあるものを少し掘り下げて考えたいと思います。

 

「店がバカだ」、あるいは「客がバカだ」、とどちらか一方を非難しても問題の本質は見えてこないと思います。

 

双方に問題があると私は思うのです。

 

飲食業界側の問題点と、客側の問題点と二つに分けて考えます。

 

➀飲食店側の問題点

 飲食業界(サービス業全般と言い換えても良いです)で働く人は総じて人が良いです。バカがつくほど良いです。お客様にサービスして喜んでもらうことが、自分の喜びと同義と思っています。素晴らしい考えです。否定しません。むしろ称賛します。

 

でも、行き過ぎるのです。例えば、冬の寒い日にお客様から預かったコートのポケットに、退店間際に温かくなった状態のホッカイロを入れちゃいます。私がそんなサービスされると「正直キモイ」です。手渡しでホッカイロをくれるなら嬉しいですが、知らないうちにポケットにホッカイロを入れられるとキモイです。勝手にポケットの中にモノを入れないで欲しいです。でも、飲食店のスタッフはこれこそが最高のサービスだと思っています。

 

また「出来ないものを出来ない」と言えないのです。明らかな無理難題にも答えようとします。店が損してもやります。さっきのホッカイロの例のように、行き過ぎた忖度をします。「お客様は神様です」などと今だに本気に考えている人がいます。神様という言葉を使わなかったとしても、自分たちよりお客様の方が立場が上だと思っている人が多いのです。顧客満足度という言葉を完全にはき違えています。

 

店とお客の立場は「同じ」です。上でも下でもありません、同等です。

 

 

➁客側の問題点

 お客様は日本の圧倒的なサービスレベルの高さに慣れてしまいました。高級店ならまだしも、低価格を売りにする店にまで高いレベルを求めてしまうのです。これはいけません。先日のブログでも書きましたが、誤解を恐れずに言い切ります。安い店には安い客が集まるのです。そして、スタッフも安いのです(あくまで利用動機の話で人間的な上下の問題ではないです)。

 

私の店にも理不尽なことを言う人が来たことがあります。開店30分前に掃除をしていると、ある男性が入ってきました。まだ掃除をしていたので、「開店は〇〇時になります。もう少しお待ちください」と答えました。そうしたらその男性は私に何と言ったと思いますか?「開店30分前なのに何で入店出来ないんだ!」と大声で怒鳴ったのです。本当の話です。全く理解できません。当然、お帰り頂きました。(もし、土砂降りの雨の中、開店時間を間違えて来店したのなら、掃除中でも入店させていたでしょう)

 

客は「自分が店より上」だと思っています。店は客の言うことを何でも聞くものだという意識があります。もちろん全員ではありませんが、一定割合存在します。事実です。そう言う人は平気で値切ってきます。「無料で大盛りにしろ」と言ってきます。連絡もせずに予約の時間に遅れてきても、謝る気配もありません。

 

重要なのでもう一度言います。

 

店とお客の立場は「同じ」です。上でも下でもありません、同等です。

 

 

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ここまででわかることがあります。

 

客は「自分が店よりも上」だと思っている。

店は「自分が客よりも下」だと思っている。

 

つまり、下世話に言うと

 

客はS、店はM

 

飲食業をはじめ、サービス業界はそういう構図になっているということです。

 

タチが悪いのは「客も店もそれで良し」「それが当たり前」と思っていることです。これが一番の問題点です。

 

Sの無理な要望に答えることが、Mには喜びなのです。

お互いがこのマインドであり続けるならば、予約キャンセル問題はなくなりません。

早急に改善されることを願います。

 

 

 

今日のまとめ

 

店とお客の立場は「同じ」です。どちらが上でも下でもありません。同等です。

 

そして立場が同等だからこそ、店も客も真剣になれるのです。

 

本当に素晴らしいサービスというものは、この関係からしか生まれません。