こだわりのお洒落なカフェは何故3年以内に閉店してしまうのか?飲食店の販促をアラフォーオヤジ目線で「おもしろおかしく」考えてみる

飲食店を2店舗経営しています。POP制作などの販促やオヤジギャグと飲酒を担当しています。私が作ったPOPやオヤジギャグを参考に飲食店の販促について「おもしろおかしく」オヤジ目線で考えます。

どうにも看過出来ない記事なので私の考えを書いてみます

www.msn.com

正直どうにもこのランキングが解せないです。

 

私は学生時代(20年も昔の話ですが)マクドナルドで4年間アルバイトをしていました。それもあって今でもマクドナルド贔屓です。卒業して、アパレルメーカーに就職しましたが、担当していたのは全国チェーン店やGMSが主でした。なので、チェーン店のシステムがいかにスゴイか近くで見てきたつもりです。

 

私は今、土着の小さな飲食店を営んでいます。以前は、多店舗展開(最低10店舗)を考えていましたが、現在2店舖を展開しています。でもそれ以上の店舗を構えることができていません。それは当然収益的な部分に起因します。

 

「多店舗展開出来ない1店舗だけの小さな飲食店」と「全国チェーン展開する大手」と何が違うのでしょうか?

 

「システム(マニュアル)がしっかり出来ているかどうか」だと思うのです。

 

小さな飲食店は「こだわってこだわって」細部にまで「こだわって」いる店が多いように思います。以前の私もそうでした。そのこだわりってお客様に伝わっていますか?

 

先日、ブログにも書いた「職人と経営者の考え方の違い」ですね。

 

そのこだわりが100%お客様に伝わり、100%受け入れられれば素晴らしいと思います。きっとお店も大繁盛でしょう。でもそのこだわりは50%前後しかお客様に届きません。50%とは体感的な数字なので、正確な調査データがあるわけでないですが、経営者のみなさんは何となくわかると思います。

 

では、人気のあるこだわりの個人店がなぜ多店舗展開出来ないのか?

 

理由は3つしかありません。

 ➀そもそも多店舗展開するつもりがない。

 ➁人気店で売り上げも良いが、実は利益が出ていない。

 ③システム(マニュアル)が出来ていない。

 

で、話をこの記事に戻します。

<満足度の高いチェーン店>

 1位 丸亀製麺

 2位 吉野家

 3位 餃子の王将

 4位 モスバーガー

 5位 サイゼリヤ

だそうです。

 

逆に、<満足度の低いチェーン店>

 1位 マクドナルド

 2位 Coco一番屋

 3位 幸楽苑

 4位 松屋

 5位 ロッテリア

だそうです。

 

ではこのランキングを作成するにあたって、一体誰にアンケートを取ったのか?

 

以下、記事から抜粋します。

 

抜粋はここから「世のサラリーマンたちの胃袋と財布の味方で「激安飲食店」で、もっともおいしいメニューとは何か? 30~50代の食通男性200人にアンケート調査を実施、その投票数から「満足度の高いチェーン店」ランキングを作成してみた。200人の激安店ツウが判定した結果は?」ここまで。

 

うーん、突っ込みどころ満載な人選ですね。ナンセンスにもほどがある。「激安飲食店に良く行く食通」「激安店ツウ」というのが理解できない。おそらく、お小遣いの少なくて、いつも安い飲食店にしか行けない男性サラリーマンのことなのでしょう。次に「満足度」の定義が不明です。この記事を読めばわかりますが、おそらくここで言う「満足度」とは「とにかく安くて量が多い」と同義と思われます。そこには店の雰囲気や立地などの利便性、スタッフのサービスの質などが全く含まれていないのだろうと考えられます。

 

私はここに挙げられているトップ5、ワースト5ともどれも好きです。実際、良く行く店ばかりです。どこも美味しいと思う。値段相応かそれ以上に価値があると思う。

 

ただ、それだけじゃない違いもあると思うわけです。というかその方がよっぽど大事だとさえ思うのです。

 

満足度の高い1位になっている丸亀製麺で感動的なサービスを受けたことがある人がどれだけいるだろうか?流れ作業で笑顔を見たこともない(これは私の体験談であって、みんなは違うかもしれない)。

 

勘違いしないでほしいのは、丸亀製麺を批判するつもりはないのです。美味しいし、安いし、私も大好きなのです。実際に良く利用しますしね。「とにかく早く美味しいうどんを安く提供する」という意味において素晴らしいシステムを構築しているのです。

 

このランキングでワースト1位のマックも、「提供時間の早さ」は当然重視しています。でもマックにはそれ以外の「プラスアルファ」があるのです。むしろそちらの方が重要で、あなたも私もそれをマックに求めていませんか?

 

ショッピングセンター内にあるフードコートではどうか?隣のケンタッキーはガラガラでも、マックはいつも行列です。同じハンバーガーならケンタッキーでも良いのに、みんなマックに並びます。これは知名度だけの差ではない気がします。

 

また、最近はプレミアムハンバーガーを1個1500円前後で出す店が流行っています。確かに美味しいです。でも考えてみたら、当たり前です。だって、原価をかければ誰だっと良い素材が手に入るし、良い設備を整え、良い職人が雇えるわけです。これってお金があれば誰でも出来ます。

 

でも、マックしかり、吉野家しかり、それらを始めとするチェーン店はどれだけ苦労してあの値段であのクオリティのモノを出しているのかを考えてみてください。たくさんのアイデアを出しあい、とんでもない労力と時間を費やしているのだろうと考えると、ゾッとします。到底、私には出来ません。

 

そして、あのホスピタリティのレベルの高さ。

 

少なくとも、マックよりも素晴らしい接客を受けたチェーン店(何だったら個人店を含めても良いです)を私は知りません。

 

根本的に目指している方向性が違うのです。それを所謂「コスパ」(安さと量)という一括りにしてランキングをつけてしまうのはあまりにも乱暴だと思うのです。注意してほしいのは、マスコミや食べログでいう「コスパ」とは「とにかく安くて量が多い」と同義だということなのです。そこには立地やサービスの質は含まれていない場合が多いのです。

 

私の店は個人店ですが、大手のチェーン店を参考に店づくりのヒントを得ています(もちろん自分なりにアレンジします)。個人店を積極的に参考にすることはあまりありません。サイゼリヤの社長は常にマクドナルドを参考にしていて、出張したら必ずその土地のマックに行くのだそうです。

 

今日のまとめ。

 

「マスコミや食べログなど口コミサイトにおける「コスパ」という言葉は「とにかく安くて量が多い」と同義なので信用してはいけない」

 

「システム(マニュアル)を構築出来るかでビジネスの規模は決まってくる」

 

今日はやや感情的になってしまいました。マック贔屓だからです。