こだわりのお洒落なカフェは何故3年以内に閉店してしまうのか?飲食店の販促をアラフォーオヤジ目線で「おもしろおかしく」考えてみる

飲食店を2店舗経営しています。POP制作などの販促やオヤジギャグと飲酒を担当しています。私が作ったPOPやオヤジギャグを参考に飲食店の販促について「おもしろおかしく」オヤジ目線で考えます。

なぜランチは安いのか?

なぜかランチは安い。

単価1000円を超える店は圧倒的に少数です。

それこそワンコイン500円なんて店も存在します。

 

当店の場合、ランチの平均単価は1200円程。

近隣の店舗と比べると高単価な部類です。

毎日オープンとともに満席。

はたから見れば繁盛店ですね。

当店より安価な店と比べても、圧倒的に繁盛していました。

 

でも私はランチ営業を辞めました。

確かにランチの売り上げだけ見れば、とても大きな数字でしたが辞めました。

今から3年前のことです。

 

割に合わないからです。

1200円でも割に合わない。

25席ほどの店に、同じ時間帯にどっとお客がやってくる。

スタッフを3名~4名(多い時で5名)で回していました。

 

一日の人件費と売上、利益を考えてみます。

 

スタッフの勤務時間を11時~17時の6時間、時給950円とすると

人件費は 4名 × 6時間 × 950円 = 22800円

 

客数37名(1.5回転)、客単価1200円、食材原価率40%(粗利60%)とすると

1200円 × 37名 = 売上44400円

44400円 × 60% = 粗利26640円

 

つまり営業利益は

粗利26640円 - 人件費22800円 = 3840円

 

一日ランチを営業して、たった 3840円 の儲けです。

ここから水道光熱費や消耗品など(箸やストロー、紙類)を差っ引いたら、、、

ぞっとします。

ヒーコラやってこの結果です。

馬鹿らしくなります。

客単価1200円で毎日満席だった当店でもこうなのです。

当店よりも単価の低い店や集客が上手くいっていない店だったらどうでしょう?

完全に赤字です。

営業すればするほど赤字が拡大します。

 

当時の私の経営の仕方が間違っていたということも出来るでしょう。

今思えば確かにそうだったと思います。

もっと人件費を削ることも出来たでしょう。

きっと原価を下げることも出来たでしょう。

 

毎日毎日満席で、お客様も満足し、笑顔で帰っていく。

口コミサイトにも好意的な内容をたくさん投稿してくれる。

スタッフもやりがいをもって楽しく働いてくれる。

ランチに来た人がきっとディナーにも来てくれるだろうという期待もありました。

 

薄々儲かっていないのは分かっていたけれど、ズルズルと8年間ほどランチを続けました。

 

 

さて、飲食以外の業界を見てみます。

例えば、飛行機。

繁忙期は高くなります。

ホテルもそうですね。

需要が高ければ高いほど値段は高くなります。

 

でも飲食店はどうか?

繁忙期(つまりランチタイム)は逆に安くなってしまいます。

フードも安い設定ですし、ドリンクやデザートもセットにすると更に安くなります。

しかも、競合店が多数ある繁華街になると、各店舗が競って安売り合戦する場合もあります。

 

もし、私がもう一度ランチを営業するならば、絶対に高単価な店にします。

もちろんターゲットは質の良い富裕層です。

客単価3000円~5000円くらいがよいかもしれません。

客数を絞って、完全フルサービスの徹底したスタイルが最も効率よく儲けられると思います。

 

飲食店に限らずですが、安売り合戦の体力消耗戦を見ていると、胸が締め付けられます。

この体質から早く抜け出さないと、特に個人店は絶対に生き残れません。