GRNVのようなグルメサイトの利用料金について考えてみる。
GRNVとはあれのことです。実際の社名を上げることはやめますが、もちろん想像通りのあの会社です。
飲食店経営者やネット予約ヘビーユーザーならすぐわかると思います。
飲食店の正規会員は月額基本料金が最低54000円(税込み)からです。
更に送客手数料がネット予約一人当たり200円とられます。めっちゃ高いです。
その他も含め大手グルメサイト3社で比較してみますね(全て税込み)。
3社とも笑えるほど全く違います。
まずは3社の基本システムから。
■GRNV 月額基本料金54000円~ 送客手数料一人当たり200円
■TBRG 月額基本料金27000円~ 送客手数料一人当たりゼロ(旧プラン)、200円(新プラン)
■HTPP 月額基本料金20000円~ 送客手数料一人当たり50円(月額基本料金はエリアによって異なる)
例えば、月間50名がネット予約で入ったとします。
それぞれの媒体の収益を比較します。
客単価が4000円(粗利率70%)だったと仮定します。
「粗利」と言うのは「売上から食材の仕入れ原価」を引いたもののことです。
名目粗利額 = 売上200000円(50名×客単価4000円) × 粗利率70% = 140000円
これはどの媒体からの集客でも同じです。
では一体、媒体によって「実質の粗利額」はどう変わってくるのか?
GRNVの場合
実質粗利額 = 名目粗利額140000円 − 月額基本料金54000円 − 送客手数料10000円(50名×200円) = 76000円(実質粗利率38%)
TBRGの場合
実質粗利額 = 名目粗利額140000円 − 月額基本料金27000円 − 送客手数料0円(50名×0円) = 113000円(実質粗利率57%)
HTPPGの場合
実質粗利額 = 名目粗利額140000円 − 月額基本料金約20000円 − 送客手数料2500円(50名×50円) = 117500円(実質粗利率59%)
上記の月額利用料金は正規会員の最低プランの料金です。上はキリがないですが、広告費を掛ければ掛けるほど、検索結果の上位に表示されます(つまりアクセスが増えて、予約につながる可能性が高くなる)。
これを見る限りいかにGRNVが高いかわかりますね。
最近流行りの「サブスクリプション」ってやつです。
月額で定額の利用料金を支払う。
良く使う人は得をする訳だけれど、そうではない人は損をする仕組みです。
グルメサイトの場合は予約が沢山入るか入らないかで決まるわけですね。
だから、予約が入らない店舗は大きく損をする。
そもそも予約が入るか入らないかは飲食店側には当然コントロールが出来ません。
頑張ってサイトを作り込んだとしてもその努力に比例する予約が入るとも限らないわけです。
「売る企業側は得をする」けど、使い方によっては「利用するエンドユーザーは(時に大きく)損をすることが多い」ということが良く分かります。
まあ、うまく出来ています。
いつだって「ルールを作る奴らが儲かる」ように世の中出来ているのですね。
(サブスクリプションは損をする人が一定数いるから成り立つ仕組みなわけです)
私が思うのは小さな店でも大型店でも「同じ月額料金の設定」が問題だと思うのです。
15席の店でも80席の店でも同じわけです。
おかしいですよね。
消費税と一緒で逆累進性なわけです。
小さな店ほど、パーセンテージにすると高い利用料金を払っている、ということになります。
だったら、席数(キャパ)に応じて、月額の基本料金を変えるべきだと強く思うのです。
だからと言って私たち飲食店はこれらのグルメサイトを利用しないで生きてはいけない時代だとも言えます。
このご時世、利用せざるを得ないのです。それだけネット予約が主流だからです。
当店もネット予約が70%をしめます。
だったら、費用対効果をよく考えて広告投資をする他ないのです。
広告投資をケチったら、必ず売り上げも落ちます。
潤沢に資金のある企業であるなら、様々な媒体に広告投資するべきでしょう。
売上が最大化するからです(利益は別の話)。
でも私たち小さな飲食店は予算が潤沢ではないわけです。限られています。
じゃあ、どこのサイトに優先的に広告投資するのか?
皆さんよく考えてみて下さい。