美味しいから売れるわけじゃない! 売れる料理が美味しいんだ!
先日、私の地元川越にも「一風堂」という超有名なラーメン屋さんがオープンしました。16号沿いの郊外店です。たまたまオープン初日にその店の前を通ったのですが行列が出来ていました。一風堂は学生時代(20年前!)に大学の近くにあったので良く通っていた懐かしいラーメン屋さんです。今や海外にも出店するほどの超有名店ですね。
皆さんご存知の通り、一風堂は博多とんこつラーメンをメインに提供しています。博多とんこつラーメンで、もう一つ思い浮かぶチェーン店は「一蘭」ですね。ラーメン好きのあなたなら当然知っていますよね!?川越には店がないですが、大宮にはあるようです。
ラーメンフリークの方ならご存知の方も多いかと思いますが、
一蘭の最大の特徴は「客席がひとりひとり仕切られている」ことです。
一蘭が「美味しいと感じる」理由は実はここにあります。
正直、味だけ比べれば、一風堂や他のとんこつラーメンと大差ないです。
でもどういう訳か他よりも「美味しく感じる」のです。
では、なぜ他よりも「美味しく感じる」のか?
「ひとりひとり仕切られている」という話題性ばかり取り上げられますが、実はこの演出の本当の理由は別にあるのです。
この仕切りこそが一風堂を「美味しく感じさせる」マジックなのです。
どういうことか?
来店し、ラーメンを注文する。ラーメン屋に行くわけですから、大抵ひとりか少人数です。個室のような仕切りのあるカウンターに通されます。仕切られているので一緒に来店した隣の友人と話す感じではありません。
注文したラーメンを待つ間、手持無沙汰でスマホをいじるぐらいしかやることがありませんね。
そうでなければ、個室のように仕切られている空間の中で、自分の前に貼られたPOPに自然と目が行きます。
ここがポイントです。POPが沢山貼られています。当然ついついそのPOPを読んじゃうわけです。
これがある意味、洗脳の始まりなのです(笑)。
「こんなにこだわってラーメンを作っているんだ」「こんなに歴史があるラーメン屋なんだ」「こういう理由で仕切りがあるんだ」「きっと美味しいに違いない」と思ってしまいます(もちろん実際美味しいですよ)。そう思って、ラーメンを今か今かと待つわけです。
実際ラーメンが出てきました。一口食べると「期待通り」いやそれ以上に美味しいわけです。ひとりひとり仕切られているという話題性もあって、みんなSNSに投稿しちゃうのです。
もう一度言います。味だけを比べると、他のラーメン屋と大差ないです。
むしろ一風堂は海外進出含め色々挑戦しているわけですから、企業努力という点では一蘭より上かもしれませんね。
何故か?
これは「まるで個室のようにひとりひとり仕切られていること」と、そこに貼られた「POPが一蘭をより一層美味しく感じさせている」からなのです。
今日のまとめ
➀「美味しいものが売れる訳ではない」ということをスタッフ全員が理解すること
大抵の現場スタッフはこれが理解できない。「売れた料理が美味しい料理だということ」をしっかり理解する。
➁「美味しいと思わせる」伝え方が重要。伝え方ひとつで「美味しいか、そうでないか」が変わってくる。