こだわりのお洒落なカフェは何故3年以内に閉店してしまうのか?飲食店の販促をアラフォーオヤジ目線で「おもしろおかしく」考えてみる

飲食店を2店舗経営しています。POP制作などの販促やオヤジギャグと飲酒を担当しています。私が作ったPOPやオヤジギャグを参考に飲食店の販促について「おもしろおかしく」オヤジ目線で考えます。

飲食店の予約キャンセル対応は遅れている。「客と店」は「SとM」の関係なんだと思う。

予約をした団体が来ない!連絡してもつながらない。困った大損だ。

という店側の悲痛な叫びをネット上で良く目にします。

 

先日、私の店でもありました。週末の稼ぎ時です。13名の予約客が来ません。

30分経っても来ないので電話をすると「先日キャンセルの電話をした」と言うのです。

もうこうなると、どうにもなりません。

 

■店側がキャンセルの電話を受けたにもかかわらず、忘れていた。

■お客様がキャンセルの電話を掛けたつもりになっていた(実際は掛けていない)。

 

言った言わないの世界になり、電話が来たかどうかは、その場で証明不可能ですから、結局は店側が折れる以外にありません。いくらお客様やスタッフを追及したところで時間の無駄です。

 

5000円コース × 13名 = 売上65000円 の損失です。

 

また、最近は外国人観光客の無断キャンセルが都内では頻発し、問題になっています。外国人観光客の団体の予約を受けない、あるいはホテルコンシェルジュ経由やクレジット会社経由の場合のみ予約を受けるという店も出てきているそうです。

 

対策は私がわざわざここに書くまでもなく、いろんな人が書いています。なので、今回は割愛します。

 

 

私はちょっと違った視点から、飲食店のキャンセル問題を考えてみたいと思います。

 

ホテルも飛行機もキャンセル料金は当たり前に存在します。「前々日50%、前日80%、当日100%」などというアレです。コンサートのチケットなど前払いの場合、当日行けなくなったからといって、返金などしてくれません。どの業界も大抵キャンセルポリシーがあります。

 

しかし、

何故か飲食業界だけ大幅にこの対応が遅れています。

 

この問題の根幹にあるものを少し掘り下げて考えたいと思います。

 

「店がバカだ」、あるいは「客がバカだ」、とどちらか一方を非難しても問題の本質は見えてこないと思います。

 

双方に問題があると私は思うのです。

 

飲食業界側の問題点と、客側の問題点と二つに分けて考えます。

 

➀飲食店側の問題点

 飲食業界(サービス業全般と言い換えても良いです)で働く人は総じて人が良いです。バカがつくほど良いです。お客様にサービスして喜んでもらうことが、自分の喜びと同義と思っています。素晴らしい考えです。否定しません。むしろ称賛します。

 

でも、行き過ぎるのです。例えば、冬の寒い日にお客様から預かったコートのポケットに、退店間際に温かくなった状態のホッカイロを入れちゃいます。私がそんなサービスされると「正直キモイ」です。手渡しでホッカイロをくれるなら嬉しいですが、知らないうちにポケットにホッカイロを入れられるとキモイです。勝手にポケットの中にモノを入れないで欲しいです。でも、飲食店のスタッフはこれこそが最高のサービスだと思っています。

 

また「出来ないものを出来ない」と言えないのです。明らかな無理難題にも答えようとします。店が損してもやります。さっきのホッカイロの例のように、行き過ぎた忖度をします。「お客様は神様です」などと今だに本気に考えている人がいます。神様という言葉を使わなかったとしても、自分たちよりお客様の方が立場が上だと思っている人が多いのです。顧客満足度という言葉を完全にはき違えています。

 

店とお客の立場は「同じ」です。上でも下でもありません、同等です。

 

 

➁客側の問題点

 お客様は日本の圧倒的なサービスレベルの高さに慣れてしまいました。高級店ならまだしも、低価格を売りにする店にまで高いレベルを求めてしまうのです。これはいけません。先日のブログでも書きましたが、誤解を恐れずに言い切ります。安い店には安い客が集まるのです。そして、スタッフも安いのです(あくまで利用動機の話で人間的な上下の問題ではないです)。

 

私の店にも理不尽なことを言う人が来たことがあります。開店30分前に掃除をしていると、ある男性が入ってきました。まだ掃除をしていたので、「開店は〇〇時になります。もう少しお待ちください」と答えました。そうしたらその男性は私に何と言ったと思いますか?「開店30分前なのに何で入店出来ないんだ!」と大声で怒鳴ったのです。本当の話です。全く理解できません。当然、お帰り頂きました。(もし、土砂降りの雨の中、開店時間を間違えて来店したのなら、掃除中でも入店させていたでしょう)

 

客は「自分が店より上」だと思っています。店は客の言うことを何でも聞くものだという意識があります。もちろん全員ではありませんが、一定割合存在します。事実です。そう言う人は平気で値切ってきます。「無料で大盛りにしろ」と言ってきます。連絡もせずに予約の時間に遅れてきても、謝る気配もありません。

 

重要なのでもう一度言います。

 

店とお客の立場は「同じ」です。上でも下でもありません、同等です。

 

 

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ここまででわかることがあります。

 

客は「自分が店よりも上」だと思っている。

店は「自分が客よりも下」だと思っている。

 

つまり、下世話に言うと

 

客はS、店はM

 

飲食業をはじめ、サービス業界はそういう構図になっているということです。

 

タチが悪いのは「客も店もそれで良し」「それが当たり前」と思っていることです。これが一番の問題点です。

 

Sの無理な要望に答えることが、Mには喜びなのです。

お互いがこのマインドであり続けるならば、予約キャンセル問題はなくなりません。

早急に改善されることを願います。

 

 

 

今日のまとめ

 

店とお客の立場は「同じ」です。どちらが上でも下でもありません。同等です。

 

そして立場が同等だからこそ、店も客も真剣になれるのです。

 

本当に素晴らしいサービスというものは、この関係からしか生まれません。

 

 

メニューにある「おススメ」商品って本当におススメなのか?

皆さん良く目にする「おススメ」マーク。実はこれってとっても深い意味のあるマークなのです。

 

何故か?

 

85~95%の人は「何をオーダーするか決めていない」のです。

 

だから、提供する側が「これがおススメですよ」「これをオーダーしてね」とお客様に教えてあげているわけです。

 

お客さんは全く気にしないかもしれませんが、ココには「提供する側の意図」が隠れています。

 

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どんな意図なのか、そしてどうやって提供する側はその商品を選んでいるのか?

 

おススメ商品は以下の4つのパターンに分類されます。

➀利益率の高い商品

つまり儲かる商品ということです。儲からない商品より儲かる商品をオーダーしてもらった方が良いのは当然です。

➁ロスになる確率が高い商品

賞味期限が短いような商品です。出てもらわないとロスになってしまう可能性が高い商品ですね。生鮮食品、特に魚などがそうです。安いチェーン店の居酒屋さんでお勧めしている魚料理などは古い可能性があります。私だったらそういう商品のオーダーは控えます(これは私の一方的な偏見です。みなさんは参考にしないで下さいw)。

③間違えて多く仕入れちゃった商品

仕込み過ぎた商品も含みます。過多な在庫が冷蔵庫や棚を圧迫するので早く処分したいのです。この場合は堂々と「間違えて多く仕入れちゃったので、みんなオーダーしてね」と言っちゃって良いですよ

④季節もの商品

旬のものなど、今売らないと来月じゃ季節外れになっちゃうような商品です。

 

おそらく、こんな感じだと思います。

 

私は常に➀を重視しています。どうせお勧めするのなら儲かる商品の方が良いに決まっているからです。

 

私が良く行く(もう25年ほど通っている)地元のラーメン屋さんがあるのですね。あるとき私がカウンターで食べていると、初めて来店したと思われるお客さんが店主に「この店の一番人気のラーメンって何?」と尋ねていました。

 

店主はすかさず「一番人気は味噌ラーメン全部入りですね」と答えていました。

 

「おいおい、嘘言え!私はこのラーメン屋に25年ほど通っているけど、全部入りをオーダーした客は見たことないぜ!」

 

これは極端な例ですが、「儲かる商品をオーダーして欲しい」という店側の意図が見えますね。でも、ここまで堂々とはっきり言い切るのは気持ちが良いです。私も見習いたいです。こう言い切るのはとても大切です。客がスタッフにお勧めを聞いて、小さい声でモゴモゴ言われても、「本当にお勧めなの?」と思っちゃいます。

 

一方、たまに行く他のラーメン屋では「一番安い商品におススメマークをつけている」のです。

 

きっと、何も考えずに「おススメマーク」を付けているのだと思います。もったいないなあと思います。

 

 

今日のまとめ

 

➀店側はお客様に堂々と「おススメ」をしよう。

「何故おススメなのか」ちゃんと考えてから商品を選定すること。

 

➁逆の立場(自分が客)の場合、この商品が何故おススメなのかを店の立場になって考えてみよう。マーケティングの勉強にもなるよ。

新商品は売れない?

昨年から「パクチー」が大ブームですね。最近も続々と大手メーカーがパクチーを使った、ドレッシングからお菓子まであって、スーパーに行くとパクチーだらけです。クックパッドパクチー料理が13000件以上出てきます。

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経堂にある「パクチーハウス東京」がブームの火付け役です。私は実際にその店に行ったことはありませんが、何年も前から飲食業界では話題になっていました。全てのメニューにパクチーが使われています。ぶっ飛んでいますね。

 

というか、パクチーって本当に流行っているのか、良く分かりません。少なくとも私の周り(埼玉です)は全く流行っていません。

 

東京と地方(私の場合は埼玉)の違いなのでしょうか?

 

実は今、私の店でもパクチーを使ったピザを出しています。POPも作り、がっつり店内で打ち出ししています。売上は決して悪くはないのですが、反応はいまひとつです。

 

「ブーム・流行っている」と言われるものについて、私はこれまでの経験則で次のように考えるようにしています。あくまで私の私見です。埼玉におけるブームがやってくる順番です。

 

ニューヨークで流行っている

6か月後、都心で流行り出す

その6か月後 大宮に到達

更に6か月後 川越に到達

更に6か月後 その他のエリアに到達するか、もしくは到達しないで終了

 

私が川越にカフェをOPENしたのは、かれこれ11年前です。当時、川越にはカフェというものが私が知る限り、ほぼ皆無でした。ですから、私の店はお陰様でOPENして間もなく、お客様が多く来てくれました。私の店の出店後、2~3年後あたりから川越にもカフェが続々と誕生します。

 

でも、その同じ11年前、東京ではカフェの一大ブームはすでに去っていたのです。今では従来のカフェと言うカテゴリー自体が無意味なものになってしまいました。

 

 

川越でパクチーを扱うのは少し(6か月?)早かったかもしれませんね。もしかしたら、大宮では売れているかも?調べてみます。

 

さて、「新商品は売れない」って知っていましたか?

もちろん、中には売れるものもありますが、基本的に売れません。

大手企業は大々的に広告宣伝をするので新商品は売れるように思いますが、実際はそうでもないようです。

 

下の図を見てください。もちろん私が考えたものではありません。有名なものなのですが、マーケティングに興味がなければ一生見ることのない図ですね。

 

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http://marketing.itmedia.co.jp/

上記より抜粋させて頂きました。

 

横が時間軸です。縦が購買する人のカテゴリーとその割合です。

 

つまり、新商品を真っ先に買うのは「イノベーター」や「アーリーアダプター」と言われる16%だそうです。

そのあとに「キャムズ」と言われる大きな谷があって、大抵の商品はそこでお終い。

 

その谷を越えられると「マジョリティ」と言われる一般の人が買い出し、本格的に普及し始める。この段階になったら「ブーム」と表現して良いかと思います。

 

果たして、パクチーはどの段階にあるのでしょうか?

 

恐らく、都内では「アーリーマジョリティ」あたりで、埼玉ではまだまだ「アーリーアダプター」のあたりのような気がします。

 

当店でもパクチーの打ち出しはしていきますが、もしかしたら、今年の年末くらいには今よりも売れるかも知れませんね。

 

都内で流行っているものを、同じタイミングで地方展開してしまうと売れないかもしれませんね。同様にニューヨークで今流行っているものは、同時期に東京では流行りません。

 

今日のまとめ

 

地方の方は、ぜひ「今東京で流行っているもの」を研究しておいてください。

 

半年後、1年後に商品化すると大ヒット商品が生まれるかも知れませんよ。

 

美味しいから売れるわけじゃない! 売れる料理が美味しいんだ!

先日、私の地元川越にも「一風堂」という超有名なラーメン屋さんがオープンしました。16号沿いの郊外店です。たまたまオープン初日にその店の前を通ったのですが行列が出来ていました。一風堂は学生時代(20年前!)に大学の近くにあったので良く通っていた懐かしいラーメン屋さんです。今や海外にも出店するほどの超有名店ですね。

 

皆さんご存知の通り、一風堂は博多とんこつラーメンをメインに提供しています。博多とんこつラーメンで、もう一つ思い浮かぶチェーン店は「一蘭」ですね。ラーメン好きのあなたなら当然知っていますよね!?川越には店がないですが、大宮にはあるようです。

 

ラーメンフリークの方ならご存知の方も多いかと思いますが、

 

一蘭の最大の特徴は「客席がひとりひとり仕切られている」ことです。

 

一蘭が「美味しいと感じる」理由は実はここにあります。

 

正直、味だけ比べれば、一風堂や他のとんこつラーメンと大差ないです。

 

でもどういう訳か他よりも「美味しく感じる」のです。

 

では、なぜ他よりも「美味しく感じる」のか?

 

「ひとりひとり仕切られている」という話題性ばかり取り上げられますが、実はこの演出の本当の理由は別にあるのです。

 

この仕切りこそが一風堂を「美味しく感じさせる」マジックなのです。

 

どういうことか?

 

来店し、ラーメンを注文する。ラーメン屋に行くわけですから、大抵ひとりか少人数です。個室のような仕切りのあるカウンターに通されます。仕切られているので一緒に来店した隣の友人と話す感じではありません。

 

注文したラーメンを待つ間、手持無沙汰でスマホをいじるぐらいしかやることがありませんね。

 

そうでなければ、個室のように仕切られている空間の中で、自分の前に貼られたPOPに自然と目が行きます。

 

ここがポイントです。POPが沢山貼られています。当然ついついそのPOPを読んじゃうわけです。

 

これがある意味、洗脳の始まりなのです(笑)。

 

「こんなにこだわってラーメンを作っているんだ」「こんなに歴史があるラーメン屋なんだ」「こういう理由で仕切りがあるんだ」「きっと美味しいに違いない」と思ってしまいます(もちろん実際美味しいですよ)。そう思って、ラーメンを今か今かと待つわけです。

 

実際ラーメンが出てきました。一口食べると「期待通り」いやそれ以上に美味しいわけです。ひとりひとり仕切られているという話題性もあって、みんなSNSに投稿しちゃうのです。

 

もう一度言います。味だけを比べると、他のラーメン屋と大差ないです。

 

むしろ一風堂は海外進出含め色々挑戦しているわけですから、企業努力という点では一蘭より上かもしれませんね。

 

でも一蘭は「一風堂にはない美味しさ」を感じるのです。

 

何故か?

 

これは「まるで個室のようにひとりひとり仕切られていること」と、そこに貼られた「POPが一蘭をより一層美味しく感じさせている」からなのです。

 

 

今日のまとめ

➀「美味しいものが売れる訳ではない」ということをスタッフ全員が理解すること

大抵の現場スタッフはこれが理解できない。「売れた料理が美味しい料理だということ」をしっかり理解する。

➁「美味しいと思わせる」伝え方が重要。伝え方ひとつで「美味しいか、そうでないか」が変わってくる。

 

「アンケートやお客様の声」って本当に役に立っているのか?

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皆さんアンケートってよく見かけますが、やったことはありますか?

 

スーパーや飲食店に限らず、どこもかしこもやっていますね(ちなみに私は面倒くさいのでやりません)。

 

スタッフのサービスは良かったか?味は?提供スピードは?来店は何回目か?などなど

 

さて、そもそもアンケートをやる目的って次の2つしかありません。

 

➀サービスの向上に役立てる

 

➁顧客情報を入手する

 

➁は非常に重要です。昨今、個人情報を集めにくくなってきましたから、この情報(氏名、住所、メアド、年齢など)は重要ですね。もちろんちゃんと活用しての話ですが。この顧客情報に関しては非常に重要なテーマなので、また別の機会に掘り下げて考えてみたいと思います。

 

さて、➀だけを目的にアンケートをしているとするならば、ほとんどの店、会社にとって無意味なものになっている可能性があります。

 

先日、良く行く大手安売りスーパーの入り口付近の壁に貼ってある「お客様の声」を見ました。どんなことが書いてあったかというと…

 

「品出しをする従業員の態度が悪い」というお客様からの声に対して、店長が謝罪のメッセージが書いてあります。他にも同様の内容(スタッフに対する苦情)が数件あり、店長が謝罪していました。この手のやり取りって色んな店舗、特に大手小売りなどで良く見かけますよね。

 

終いには、「このお客様の声に対する店長の回答が毎回同じで返答がテンプレート化している」なんてお叱りの声が書いてある始末です。苦笑です。

 

どうして、こんなに「苦情ばかりのお客様の声」を店頭に貼るのか、全く理解できません。

(もしかしたら苦情しかこないヒドイ店なのか?)

 

おそらく、「苦情に対応して、スタッフのサービスレベルを上げる努力をしています」「うちの店はスタッフ教育を徹底しています」と言いたいのでしょう。これでは店長の自己満足の世界ですね。きっと本部の上層部に対してのアピールなのでしょう。向いている方向が顧客ではなく、会社の上司です。

 

こんなやり取りをお客様は読みたいですか?気分が悪くなるだけです。働いているスタッフも自分の仕事に誇りが持てません。士気が下がります。

 

私だったら「お客様からの嬉しい声、感謝の声」だけを選んで貼ります。

 

「嬉しい声、感謝の声」を別のお客様が読めば、「この店はこんなに良い店なんだな」「お客様から好かれている店なんだな」という風に好印象を持ってもらえます。

 

スタッフも「自分たちのサービスがお客様から支持されている」と思い、自分の仕事に自信と誇りを持つことが出来ます。更にサービス向上に自発的に取り組むようになるはずです。

 

でも、アンケートを取るとどうして人は悪いことばかり書いてしまうのでしょうか?

 

「相手(人だったり店舗)よりも自分の方が優位に立っていたい」からだと思います。

だから、相手の欠点ばかりが見えてしまうのです。

 

飲食店で帰る間際に、店の人が持ってきたアンケート用紙に書く場合、欠点ばかり探して書いてしまいます。「料理を持ってくるのが遅い」「店員の私語がうるさい」などなど。アンケートさえなければ、そんなこと考える(思い出す)こともなく、楽しく帰るところだったわけです。アンケートを書いたせいで、その店の印象が悪くなり、さらに何だかその飲み会自体も白けた感じになってしまいます。

 

こんなことにならないよう、最初からアンケート用紙にこう書けばよいのです。

 

「良かったサービス(美味しかった商品)は何でしたか?」

 

 「〇〇が美味しかったです」「スタッフの笑顔が素敵でした」

などと書いてくれます。書いたお客様も「良い店」「美味しい店」という印象を持って帰ります。

 

 

今日のまとめ

アンケートやお客様の声を聞く場合

➀良いことだけ聞く

悪いことは最初から聞かない。項目も作らない。

➁必ず個人情報を書く欄を作る

ただし、書くことを強制はしちゃダメね。

 

「カールを販売継続して欲しい」ってお前が言うな!!カールが販売終了する理由

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カールが販売終了(縮小)だそうです。売上が最盛期の3分の1に落ち込んだことが原因とのこと。

 

このニュースを受けて、「カールがなくなるのは悲しい」「何でなくなるんだ!」というような反応が多くあるようです。メーカーの明治は今回の決定は変えないそうです。

 

誰もが知っている商品で、これほど多くの販売継続の声があるにもかかわらず

 

カールはなぜ販売終了(縮小)なのか?

 

答えは簡単、「あなたが買わなかった」からです。

 

それだけです。それ以上でもそれ以下でもありません。

 

販売継続を希望する人たちは、一体どれほどの頻度でカールを買っていたのでしょうか?少なくとも私は10年以上食べた記憶がありません。私の周りで食べている人も同様に見たという記憶もありません。

 

売り上げが最盛期の3分の1だという数字が全てを物語っています

 

最近はテレビCMも見ることもありませんでしたし、メーカー側がカールを大きく打ち出ししていこうという方針ではなかったのかも知れませんね。

 

露出が減ると売り上げが落ちるという典型的な例です。

 

今回、カールは残念ながらこういう結末になってしまいましたが、ヒットし長く愛される商品の誕生する確率は1~2%だと言われています。つまりデビューした商品のうち98~99%は数年でなくなってしまうのです。

 

さて一方、飲食店の生存率ってどうなのでしょうか?

 

飲食店の生存率については様々な説がありますが、「2年後50%」「5年後40%」「10年後5%」などと言われています。

 

おおむね間違ってないような気がします。目安として頭に入れておいてください。

 

私のところにも居抜き物件の情報が毎日のように届きます。そのほとんどが開業から3年以内の店舗です。早いものだと1年以内の店舗も少なくありません。ビックリしますが、それが現実です。

 

 

飲食店が閉店する理由は大きく次の2つだけです。

 

➀利益が出なかった

これは売り上げの大小とは無関係です。一見、繁盛している店でも利益が出ていない店舗は多いです。逆に、お客が入っていないなあと思う店が何十年も続いている場合は、家賃がかからない自社物件(店舗の2階に住んでいる)だったり、人件費がかからない(家族経営)場合だったりする為です。

➁後継者がいない、またはオーナーの高齢・病気・ケガによる引退

これは個人店に多いパターンです。経営者が常に店舗にいるような店の場合です。

 

いずれにせよ、利益が出ていれば閉店する必要がないのです。経営者が高齢でも誰か他の人に任せれば店は続きます。

 

 

長く営業していた飲食店が閉店すると聞いて、営業最終日に行列する人がいます。

 

「大好きだったのに何で閉店しちゃうんですか?」なんて店のスタッフに聞いちゃうわけです。こういにう人は大抵「昔に数回利用したことがある」人だったりします。ここ数年来店していないけど、閉店の話を聞いて昔を思い出し、悲しくなって営業最終日に来てみたというわけです。

 

店のオーナーは心の中で間違いなく、こう思っている筈です。

 

「あなたが来なかったから閉店になってしまいました」

 

これって、カールの話と全く同じですね。

 

もし、あなたがもう少しだけ、例えば4か月に1回のペース(つまり年3回)で来ていてくれれば、閉店はしなかったかもしれません。営業最終日に並んだ100人のお客さんがもう少し来てくれていたならば状況は変わっていたハズです。

 

 年3回 × 1組4名 × 客単価4000円 = 年間売上48,000円

 

 48,000円 × 100組 = 年間売上4,800,000円

 

これは机上の空論でしょうか?私は決して大げさな話ではないと思います。

それくらいリピーターは大切だということです。

 

カールもこの閉店してしまう飲食店も、

「リピート策を講じてこなかった」ということです。

 

つまり、提供する側が1度でも利用してくれたお客様に対して、発信をし続けて来なかった結果が閉店(販売終了)に繋がっているのです。

 

お客様の問題ではなく、全てこちら側の問題なのです。

 

 

 

今日のまとめ

 

➀お客様は待っていても絶対に来ません。

 

➁料理が美味しかったからリピートするわけでもありません。

 

③こちらから再来店するような仕掛けを、常に発信し続けるからこそ、リピートするのです。

 

 

値上げに関して 追記

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たま~に行くチェーン店のラーメン屋さんが6月1日から値上げする旨のチラシが店内に貼ってありました。ラーメン1杯500円(税込み)~提供する関東近県のチェーン店(30数店舗)です。創業以来19年間変わらない価格でやってきたそうです。今どきラーメン1杯500円なんて安すぎでビックリします(まあ、日高屋はもっと安いですが)。「昨今の原材料の高騰と人件費の高騰を自社努力でカバーできなくなった」というようなコメントを書いた張り紙が壁面に貼ってあったわけです。

 

いくら値上げするのか?

 

と思ったら、従来の価格表記が「税抜き」だったのを、新価格は「税込み」にするというのですね。

 

うーん?・・・

 

つまり、「税込み500円」が「税抜き500円」になるようです。つまり、8%値上げですね。

 

うーん?・・・

 

私はこのラーメン屋さんの1杯の価格は650~700円でも良いように感じます。私だったらこのタイミングでそうします。それくらい良い商品を提供しています。

 

今回の「小幅の」値上げはおそらく本部がビビっているのだと思います。

つまり理由は次の2点が考えられます。

 

➀今まで19年間値上げしたことがないから、大幅な値上げは客数(売上)減少に繋がるのではないか?小幅な値上げにとどめて、お客さんの反応を見たい。

 

➁全店舗分(30数店舗)の販促物を作りかえるコスト(時間とお金)をかけたくない。

 

おそらくそんな理由で大幅な値上げに踏み切らなかったのだろうと推測できます。

 

はたして、それで良かったのでしょうか?私には疑問です。

せっかくの値上げのチャンスを逃してしまったように感じます。

 

 

飲食店の人間は

  「安くしなければ客が来ない」

 「いや、安く提供してこそ、客が喜ぶ。それこそが飲食店の存在意義だ」

と勝手に思い込んでいると思います。

 

もっと言えば

  「お客が喜んでくれれば、店は損したって良い」

 「自分はどんなに辛くても、お客様が笑顔になるならば、それで良い。全てはお客様の笑顔の為に!」

とさえ思っています。本当に思っている人が多いのです。正直ビックリします。こういう人はビジネスには向いていません。搾取されるだけです。

 

「コストパフォーマンス」という言葉を間違えて理解しています。

 

こんな考えは今すぐやめるべきです。

 

原価率30%が飲食店の平均だという思い込みから、「原価率10%の商品なんてあっちゃダメ。もうけ過ぎ、お客をだましている」という風に思っていませんか?

 

付加価値をしっかりとお客様に伝えることが出来れば、原価率が5%だろうが10%だろうが良いのです。

お客様は満足してその商品を買い、笑顔になるのです。

 

実際に私の店でもそうした商品がたくさんあります。そして、その商品はプロモーションをかけるので売れ筋だったりします。しかもお客様も喜んでお代わりすることだって多いのです。

 

私たちは大学生の学園祭に出ている屋台ではないのです。

 

どれだけ利益を上げることが出来るのか?

そのことだけにフォーカスすべきです。

 

 

 

今日のまとめ

 

➀値上げしても「付加価値」が伝われば問題なし。ビビらず、どんどん値上げして、がっつり利益を上げてください。

 

➁業界で言われている平均的な数字(売価や原価率など)は気にしない。

値下げはダメ 絶対! 値上げが正義

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前回の続きです。

私たち小さな飲食店は「値下げ」で集客を図ろうとしてはダメです。絶対。

 

おそらく、どのコンサルも同じことを言うし、どの本も同じことが書いてあります。私もそう思います。

 

でも、来店客数が少なくて売り上げが悪くなると、どうしても「値下げして集客」に繋げたくなります。分かります、分かります、その気持ち。そこはグッと堪えましょう。

 

値下げする ⇒ お客さんが増える ⇒ スタッフ疲弊する(またはスタッフ増員による人件費の増加) ⇒ 結局利益が出ない

 

この無限ループです。値下げしても客数が増えない場合だってあります。最近はどこもかしこも割引を連発しているので、安いだけでは集客には繋がらない場合もありますね。

 

そして、誤解を恐れず言います。

値下げで客数が増えたとしても、おそらくそれは

「質の低いお客さん」です。

 

「安売りの店には安い客が来る」

「安い客ほど、クレームを言ってくる」

「安い客ほど、お金を落とさず、長居する」

「安い客は、また別の安いお店を探すので、リピートしない」

 

こういうことは、巷の本には書けません(書いたら確実に怒られます)。

 

安い客=人間的な価値が低いといっているわけではありませんので勘違いしないで下さいね(私もそこまで他者をさげすむ様な人間ではないです)。

 

あくまで「店の雰囲気やこだわり、スタッフのおもてなし、味などより低価格を優先する」という利用動機の話です(まあ、実質的賃金が上がらない時代なので、こういう動機も理解できますが…)。

 

しかし、実のところ本当にタチが悪いのは、飲食店のスタッフ(正確にはオーナー)なのです。

 

飲食業界の人はサービス精神が旺盛(私から言わせると過剰)なので、こういう安い客やクレーマーにも最大限のおもてなしをしちゃいます。そのくせ、スタッフは裏で客の文句言ってたりします。だったらやめたら良いのに・・・

 

この状況はまさに自分たち飲食店の人間(正確にはオーナー)が自ら招いているのです(←ココ超大事)。

 

 

一方、値上げの場合は

値上げする ⇒ 安いお客は離れる ⇒ 店の価値を理解してくれる優良顧客が増える ⇒ 優良顧客は騒がないし、単価も高い(たまにお釣りも受け取らなかったり、旅行のお土産を持ってきてくれたりする) ⇒ スタッフも穏やかになり、仕事に対して誇りとやりがいを感じる ⇒ もちろん利益も上がる ⇒ 更に優良顧客は自分と同じタイプの人間を連れてきてくれる

 

値上げをすると、こういう良い循環になります。全てのお客様は平等ではありませんし、もちろん神様でもありません。

 

自分の店にとって「良いお客様」と「そうでないお客」が存在するのです。

 

あなたはどちらの店舗で働きたいですか?

当然私は後者です。

 

今日のまとめ

値上げはしても、値下げは断固しない!

優良顧客に囲まれて仕事をしよう!

 

 

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小さな飲食店が生き残っていく為の唯一の方法

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「小さな飲食店が生き残って生き残っていく為の唯一の方法」なんて大げさなタイトルにしちゃいました。

 

答えから言いますね(おお、いきなり!!)

 

「値上げ」をするということです。

これ以外に方法はないと思っています。

 

業態によっても違いますが、飲食店の原価率は30%ほどだと言われています。

もちろんドリンクもフードもすべてが30%なわけではありません。

ドリンクは20%前後、フードは35~40%前後というところでしょうか?

こんな常識にはとらわれないで下さい。

 

例えば、原価200円・売価500円の商品があったとします。利益は300円ですね。

この商品が1か月1000個売れたとします。

 

 売価500円×1000個=500000円

 原価200円×1000個=200000円

 利益300円×1000個=300000円

 

この商品をそのまま700円に値上げすると

 

 売価700円×1000個=700000円

 原価200円×1000個=200000円

 利益500円×1000円=500000円

 

わざわざ計算式を書くほどでもないですが、

売価を200円上げるだけで売上が200000円アップしました。

これは同時に利益も200000円アップしているのです。

 

掛け算の出来る小学生だったら誰でもわかる計算ですね。

 

でも、こういうと次のような疑問が沸いてきます。

 

「値上げしたら、客数が減るんじゃないか?」

 

当然ですね。値上げをするとき、私も最初はいつもビクビクしていました。でも分かってきたことがあります。それは・・・

 

誤解を恐れず言うと、値上げには「ある程度は客数が減って欲しい」という思惑が隠れています。

 

何だ?なんだ?ナンダ?客数減って欲しい?

 

例えば、値上げ前と値上げ後で「同じ利益」を取ろうとすると

 

 値上げ前利益300000円÷値上げ後の利益単価500円=600個

 

つまり、売価700円の商品を600個売るのと、売価500円の商品を1000個売るのと同じ利益だということ。

 

1000個売っていたのが、600個で良いのです。

(もちろんもっと売れた方が良いのですが・・・)。

 

これのどこが良いのか?

 

➀在庫が減ります。つまり仕入れが減り、キャッシュフローが増えます。

 

➁仕込みや販売の手間が減ります。つまり人件費がカット出来ます。

 

③仕込みや販売の時間が減るので、その分、お客様に対するサービス強化にあてて顧客満足度をあげましょう。

 

④オーナーは時間が増え、経費が浮くので、それを販促などに投資出来ます。または家族旅行に行っても良いでしょう。普段頑張ってくれているスタッフに還元しても良いかもしれません。

 

値下げだけはしないで下さい(瞬間的なお祭りやイベントは別です)。

値下げがダメな理由は次回したいと思います。

 

 

今日のまとめ

 

「値上げする」しか小さな飲食店に生き残る道はない。

決して値下げして集客してはダメ。

 

 

専門用語は使わない

こんばんは。今日は専門用語について深く掘り下げていこうと思います。

 

先日、こんなことがありました。

スタッフと一緒に展示会終了後の帰りの電車の中での会話です。

小説を読んでいた彼女が話しかけてきました。

小説の中に分からない用語が出てきたので私に質問してきたのです。

 

ボタンダウンシャツってどんなシャツですか?」

「クールネックってどんなのですか?」(正確には「クルーネック」のことを言ってる)

 

どうやら洋服に関する用語の様です。

 

実は私、飲食業界の入る前はアパレルメーカーに勤務しておりましたので(もう10年以上前にはなりますが)、今でもある程度はファッションに関してその辺の人たちよりは詳しいと思います(たぶん)。

 

ボタンダウンっていうのは・・・・」

「クルーネックってのはね・・・」

「ついでにVネックと、Uネックと、ボートネックと、、、云々かんぬん」

というように説明してあげました。

 

アパレル業界の人たちからすれば、このような用語は当然常識だし、知らない人はいません。

 

でも、そうでない人からすると、難しい専門用語だったりするのです。

 

飲食業界の私たちも、知らず知らずのうちに専門用語や業界用語を使ってしまっていることがあります。

 

例えば、ワインなんか最も顕著な例です。

「カベルネ」「キュベ」「ドメーヌ」「テロワール」「アペラシオン」「エチケット」「AOC」「アロマ」「アタック」「ブーケ」「アッサンブラージュ」「マリアージュ」「セニエ」「ボディ」「デカンタージュ」・・・・

 

ざっと挙げてみましたが、興味のない人からすれば(たとえワインが好きだったとしても)ちんぷんかんぷんです。何を言っているのかさっぱり分かりません。

 

ちなみにこれらの用語はワインを深く知るうえで、絶対に外せない用語です。

 

でも一般の人にとっては宇宙語なのです。正直どうでも良いのです。

 

ワインにこだわるお店はこういう用語をついつい使っていませんか?

「ワイン愛好家の超セレブしか来なくて良いよ」「ワイン1杯1500円~」という超高級店なら良いかもしれません。

 

しかし、私たちのような一般の飲食店はこれではダメですね。誰もワインを飲みません。

 

私が運営する店舗の一つは「日本ワイン専門店」です。決して高級店ではありません。客単価4000円です。ここでは次のようなメニューを作っています(メニューの一部を公開します)。飲んでみたいと思いませんか?(自画自賛かしら?)少なくとも興味をそそる楽しいメニューブックだと思います。ほとんど専門用語は使っていません。

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今日のまとめ

 

専門用語は使わない。

誰(中学生)でも分かる平易な言葉を使う。