こだわりのお洒落なカフェは何故3年以内に閉店してしまうのか?飲食店の販促をアラフォーオヤジ目線で「おもしろおかしく」考えてみる

飲食店を2店舗経営しています。POP制作などの販促やオヤジギャグと飲酒を担当しています。私が作ったPOPやオヤジギャグを参考に飲食店の販促について「おもしろおかしく」オヤジ目線で考えます。

「カールを販売継続して欲しい」ってお前が言うな!!カールが販売終了する理由

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カールが販売終了(縮小)だそうです。売上が最盛期の3分の1に落ち込んだことが原因とのこと。

 

このニュースを受けて、「カールがなくなるのは悲しい」「何でなくなるんだ!」というような反応が多くあるようです。メーカーの明治は今回の決定は変えないそうです。

 

誰もが知っている商品で、これほど多くの販売継続の声があるにもかかわらず

 

カールはなぜ販売終了(縮小)なのか?

 

答えは簡単、「あなたが買わなかった」からです。

 

それだけです。それ以上でもそれ以下でもありません。

 

販売継続を希望する人たちは、一体どれほどの頻度でカールを買っていたのでしょうか?少なくとも私は10年以上食べた記憶がありません。私の周りで食べている人も同様に見たという記憶もありません。

 

売り上げが最盛期の3分の1だという数字が全てを物語っています

 

最近はテレビCMも見ることもありませんでしたし、メーカー側がカールを大きく打ち出ししていこうという方針ではなかったのかも知れませんね。

 

露出が減ると売り上げが落ちるという典型的な例です。

 

今回、カールは残念ながらこういう結末になってしまいましたが、ヒットし長く愛される商品の誕生する確率は1~2%だと言われています。つまりデビューした商品のうち98~99%は数年でなくなってしまうのです。

 

さて一方、飲食店の生存率ってどうなのでしょうか?

 

飲食店の生存率については様々な説がありますが、「2年後50%」「5年後40%」「10年後5%」などと言われています。

 

おおむね間違ってないような気がします。目安として頭に入れておいてください。

 

私のところにも居抜き物件の情報が毎日のように届きます。そのほとんどが開業から3年以内の店舗です。早いものだと1年以内の店舗も少なくありません。ビックリしますが、それが現実です。

 

 

飲食店が閉店する理由は大きく次の2つだけです。

 

➀利益が出なかった

これは売り上げの大小とは無関係です。一見、繁盛している店でも利益が出ていない店舗は多いです。逆に、お客が入っていないなあと思う店が何十年も続いている場合は、家賃がかからない自社物件(店舗の2階に住んでいる)だったり、人件費がかからない(家族経営)場合だったりする為です。

➁後継者がいない、またはオーナーの高齢・病気・ケガによる引退

これは個人店に多いパターンです。経営者が常に店舗にいるような店の場合です。

 

いずれにせよ、利益が出ていれば閉店する必要がないのです。経営者が高齢でも誰か他の人に任せれば店は続きます。

 

 

長く営業していた飲食店が閉店すると聞いて、営業最終日に行列する人がいます。

 

「大好きだったのに何で閉店しちゃうんですか?」なんて店のスタッフに聞いちゃうわけです。こういにう人は大抵「昔に数回利用したことがある」人だったりします。ここ数年来店していないけど、閉店の話を聞いて昔を思い出し、悲しくなって営業最終日に来てみたというわけです。

 

店のオーナーは心の中で間違いなく、こう思っている筈です。

 

「あなたが来なかったから閉店になってしまいました」

 

これって、カールの話と全く同じですね。

 

もし、あなたがもう少しだけ、例えば4か月に1回のペース(つまり年3回)で来ていてくれれば、閉店はしなかったかもしれません。営業最終日に並んだ100人のお客さんがもう少し来てくれていたならば状況は変わっていたハズです。

 

 年3回 × 1組4名 × 客単価4000円 = 年間売上48,000円

 

 48,000円 × 100組 = 年間売上4,800,000円

 

これは机上の空論でしょうか?私は決して大げさな話ではないと思います。

それくらいリピーターは大切だということです。

 

カールもこの閉店してしまう飲食店も、

「リピート策を講じてこなかった」ということです。

 

つまり、提供する側が1度でも利用してくれたお客様に対して、発信をし続けて来なかった結果が閉店(販売終了)に繋がっているのです。

 

お客様の問題ではなく、全てこちら側の問題なのです。

 

 

 

今日のまとめ

 

➀お客様は待っていても絶対に来ません。

 

➁料理が美味しかったからリピートするわけでもありません。

 

③こちらから再来店するような仕掛けを、常に発信し続けるからこそ、リピートするのです。

 

 

値上げに関して 追記

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たま~に行くチェーン店のラーメン屋さんが6月1日から値上げする旨のチラシが店内に貼ってありました。ラーメン1杯500円(税込み)~提供する関東近県のチェーン店(30数店舗)です。創業以来19年間変わらない価格でやってきたそうです。今どきラーメン1杯500円なんて安すぎでビックリします(まあ、日高屋はもっと安いですが)。「昨今の原材料の高騰と人件費の高騰を自社努力でカバーできなくなった」というようなコメントを書いた張り紙が壁面に貼ってあったわけです。

 

いくら値上げするのか?

 

と思ったら、従来の価格表記が「税抜き」だったのを、新価格は「税込み」にするというのですね。

 

うーん?・・・

 

つまり、「税込み500円」が「税抜き500円」になるようです。つまり、8%値上げですね。

 

うーん?・・・

 

私はこのラーメン屋さんの1杯の価格は650~700円でも良いように感じます。私だったらこのタイミングでそうします。それくらい良い商品を提供しています。

 

今回の「小幅の」値上げはおそらく本部がビビっているのだと思います。

つまり理由は次の2点が考えられます。

 

➀今まで19年間値上げしたことがないから、大幅な値上げは客数(売上)減少に繋がるのではないか?小幅な値上げにとどめて、お客さんの反応を見たい。

 

➁全店舗分(30数店舗)の販促物を作りかえるコスト(時間とお金)をかけたくない。

 

おそらくそんな理由で大幅な値上げに踏み切らなかったのだろうと推測できます。

 

はたして、それで良かったのでしょうか?私には疑問です。

せっかくの値上げのチャンスを逃してしまったように感じます。

 

 

飲食店の人間は

  「安くしなければ客が来ない」

 「いや、安く提供してこそ、客が喜ぶ。それこそが飲食店の存在意義だ」

と勝手に思い込んでいると思います。

 

もっと言えば

  「お客が喜んでくれれば、店は損したって良い」

 「自分はどんなに辛くても、お客様が笑顔になるならば、それで良い。全てはお客様の笑顔の為に!」

とさえ思っています。本当に思っている人が多いのです。正直ビックリします。こういう人はビジネスには向いていません。搾取されるだけです。

 

「コストパフォーマンス」という言葉を間違えて理解しています。

 

こんな考えは今すぐやめるべきです。

 

原価率30%が飲食店の平均だという思い込みから、「原価率10%の商品なんてあっちゃダメ。もうけ過ぎ、お客をだましている」という風に思っていませんか?

 

付加価値をしっかりとお客様に伝えることが出来れば、原価率が5%だろうが10%だろうが良いのです。

お客様は満足してその商品を買い、笑顔になるのです。

 

実際に私の店でもそうした商品がたくさんあります。そして、その商品はプロモーションをかけるので売れ筋だったりします。しかもお客様も喜んでお代わりすることだって多いのです。

 

私たちは大学生の学園祭に出ている屋台ではないのです。

 

どれだけ利益を上げることが出来るのか?

そのことだけにフォーカスすべきです。

 

 

 

今日のまとめ

 

➀値上げしても「付加価値」が伝われば問題なし。ビビらず、どんどん値上げして、がっつり利益を上げてください。

 

➁業界で言われている平均的な数字(売価や原価率など)は気にしない。

値下げはダメ 絶対! 値上げが正義

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前回の続きです。

私たち小さな飲食店は「値下げ」で集客を図ろうとしてはダメです。絶対。

 

おそらく、どのコンサルも同じことを言うし、どの本も同じことが書いてあります。私もそう思います。

 

でも、来店客数が少なくて売り上げが悪くなると、どうしても「値下げして集客」に繋げたくなります。分かります、分かります、その気持ち。そこはグッと堪えましょう。

 

値下げする ⇒ お客さんが増える ⇒ スタッフ疲弊する(またはスタッフ増員による人件費の増加) ⇒ 結局利益が出ない

 

この無限ループです。値下げしても客数が増えない場合だってあります。最近はどこもかしこも割引を連発しているので、安いだけでは集客には繋がらない場合もありますね。

 

そして、誤解を恐れず言います。

値下げで客数が増えたとしても、おそらくそれは

「質の低いお客さん」です。

 

「安売りの店には安い客が来る」

「安い客ほど、クレームを言ってくる」

「安い客ほど、お金を落とさず、長居する」

「安い客は、また別の安いお店を探すので、リピートしない」

 

こういうことは、巷の本には書けません(書いたら確実に怒られます)。

 

安い客=人間的な価値が低いといっているわけではありませんので勘違いしないで下さいね(私もそこまで他者をさげすむ様な人間ではないです)。

 

あくまで「店の雰囲気やこだわり、スタッフのおもてなし、味などより低価格を優先する」という利用動機の話です(まあ、実質的賃金が上がらない時代なので、こういう動機も理解できますが…)。

 

しかし、実のところ本当にタチが悪いのは、飲食店のスタッフ(正確にはオーナー)なのです。

 

飲食業界の人はサービス精神が旺盛(私から言わせると過剰)なので、こういう安い客やクレーマーにも最大限のおもてなしをしちゃいます。そのくせ、スタッフは裏で客の文句言ってたりします。だったらやめたら良いのに・・・

 

この状況はまさに自分たち飲食店の人間(正確にはオーナー)が自ら招いているのです(←ココ超大事)。

 

 

一方、値上げの場合は

値上げする ⇒ 安いお客は離れる ⇒ 店の価値を理解してくれる優良顧客が増える ⇒ 優良顧客は騒がないし、単価も高い(たまにお釣りも受け取らなかったり、旅行のお土産を持ってきてくれたりする) ⇒ スタッフも穏やかになり、仕事に対して誇りとやりがいを感じる ⇒ もちろん利益も上がる ⇒ 更に優良顧客は自分と同じタイプの人間を連れてきてくれる

 

値上げをすると、こういう良い循環になります。全てのお客様は平等ではありませんし、もちろん神様でもありません。

 

自分の店にとって「良いお客様」と「そうでないお客」が存在するのです。

 

あなたはどちらの店舗で働きたいですか?

当然私は後者です。

 

今日のまとめ

値上げはしても、値下げは断固しない!

優良顧客に囲まれて仕事をしよう!

 

 

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小さな飲食店が生き残っていく為の唯一の方法

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「小さな飲食店が生き残って生き残っていく為の唯一の方法」なんて大げさなタイトルにしちゃいました。

 

答えから言いますね(おお、いきなり!!)

 

「値上げ」をするということです。

これ以外に方法はないと思っています。

 

業態によっても違いますが、飲食店の原価率は30%ほどだと言われています。

もちろんドリンクもフードもすべてが30%なわけではありません。

ドリンクは20%前後、フードは35~40%前後というところでしょうか?

こんな常識にはとらわれないで下さい。

 

例えば、原価200円・売価500円の商品があったとします。利益は300円ですね。

この商品が1か月1000個売れたとします。

 

 売価500円×1000個=500000円

 原価200円×1000個=200000円

 利益300円×1000個=300000円

 

この商品をそのまま700円に値上げすると

 

 売価700円×1000個=700000円

 原価200円×1000個=200000円

 利益500円×1000円=500000円

 

わざわざ計算式を書くほどでもないですが、

売価を200円上げるだけで売上が200000円アップしました。

これは同時に利益も200000円アップしているのです。

 

掛け算の出来る小学生だったら誰でもわかる計算ですね。

 

でも、こういうと次のような疑問が沸いてきます。

 

「値上げしたら、客数が減るんじゃないか?」

 

当然ですね。値上げをするとき、私も最初はいつもビクビクしていました。でも分かってきたことがあります。それは・・・

 

誤解を恐れず言うと、値上げには「ある程度は客数が減って欲しい」という思惑が隠れています。

 

何だ?なんだ?ナンダ?客数減って欲しい?

 

例えば、値上げ前と値上げ後で「同じ利益」を取ろうとすると

 

 値上げ前利益300000円÷値上げ後の利益単価500円=600個

 

つまり、売価700円の商品を600個売るのと、売価500円の商品を1000個売るのと同じ利益だということ。

 

1000個売っていたのが、600個で良いのです。

(もちろんもっと売れた方が良いのですが・・・)。

 

これのどこが良いのか?

 

➀在庫が減ります。つまり仕入れが減り、キャッシュフローが増えます。

 

➁仕込みや販売の手間が減ります。つまり人件費がカット出来ます。

 

③仕込みや販売の時間が減るので、その分、お客様に対するサービス強化にあてて顧客満足度をあげましょう。

 

④オーナーは時間が増え、経費が浮くので、それを販促などに投資出来ます。または家族旅行に行っても良いでしょう。普段頑張ってくれているスタッフに還元しても良いかもしれません。

 

値下げだけはしないで下さい(瞬間的なお祭りやイベントは別です)。

値下げがダメな理由は次回したいと思います。

 

 

今日のまとめ

 

「値上げする」しか小さな飲食店に生き残る道はない。

決して値下げして集客してはダメ。

 

 

専門用語は使わない

こんばんは。今日は専門用語について深く掘り下げていこうと思います。

 

先日、こんなことがありました。

スタッフと一緒に展示会終了後の帰りの電車の中での会話です。

小説を読んでいた彼女が話しかけてきました。

小説の中に分からない用語が出てきたので私に質問してきたのです。

 

ボタンダウンシャツってどんなシャツですか?」

「クールネックってどんなのですか?」(正確には「クルーネック」のことを言ってる)

 

どうやら洋服に関する用語の様です。

 

実は私、飲食業界の入る前はアパレルメーカーに勤務しておりましたので(もう10年以上前にはなりますが)、今でもある程度はファッションに関してその辺の人たちよりは詳しいと思います(たぶん)。

 

ボタンダウンっていうのは・・・・」

「クルーネックってのはね・・・」

「ついでにVネックと、Uネックと、ボートネックと、、、云々かんぬん」

というように説明してあげました。

 

アパレル業界の人たちからすれば、このような用語は当然常識だし、知らない人はいません。

 

でも、そうでない人からすると、難しい専門用語だったりするのです。

 

飲食業界の私たちも、知らず知らずのうちに専門用語や業界用語を使ってしまっていることがあります。

 

例えば、ワインなんか最も顕著な例です。

「カベルネ」「キュベ」「ドメーヌ」「テロワール」「アペラシオン」「エチケット」「AOC」「アロマ」「アタック」「ブーケ」「アッサンブラージュ」「マリアージュ」「セニエ」「ボディ」「デカンタージュ」・・・・

 

ざっと挙げてみましたが、興味のない人からすれば(たとえワインが好きだったとしても)ちんぷんかんぷんです。何を言っているのかさっぱり分かりません。

 

ちなみにこれらの用語はワインを深く知るうえで、絶対に外せない用語です。

 

でも一般の人にとっては宇宙語なのです。正直どうでも良いのです。

 

ワインにこだわるお店はこういう用語をついつい使っていませんか?

「ワイン愛好家の超セレブしか来なくて良いよ」「ワイン1杯1500円~」という超高級店なら良いかもしれません。

 

しかし、私たちのような一般の飲食店はこれではダメですね。誰もワインを飲みません。

 

私が運営する店舗の一つは「日本ワイン専門店」です。決して高級店ではありません。客単価4000円です。ここでは次のようなメニューを作っています(メニューの一部を公開します)。飲んでみたいと思いませんか?(自画自賛かしら?)少なくとも興味をそそる楽しいメニューブックだと思います。ほとんど専門用語は使っていません。

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今日のまとめ

 

専門用語は使わない。

誰(中学生)でも分かる平易な言葉を使う。

先日、大手食品卸の展示会に行ってきました。「うーん」な感じです。もったいないなあ。

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久しぶりの投稿になってしまいましたが、いつも読んでくれてありがとうです。あなたが大好きです。

 

さて、先日ある食品卸の展示会にスタッフとともに行ってきました。たくさんのメーカーが出店していて、まあ何百、何千?の商品サンプルが並んでいます。

 

ただ、そのどれも私の心には響きませんでした。

 

どれもこれもスペックばかりを謳っているのです。

 

「どれだけこだわり(安心安全や高級、珍しい)の素材を使っているのか」「どれだけこだわりの製法なのか」「どれだけ使い勝手が良いか」ばかりを強調しています。これをスペックと言います。分かりやすく言うと「提供する側(飲食店の厨房スタッフ)」向けの情報ばかりです。

 

もちろん、こうしたスペックも重要です。メーカーのビジネス相手は飲食店ですから、飲食店向けの情報は当然重要です。

 

一番重要なのは「エンドユーザー(お客様)にどんなメリットがあるのか」ということなのです。

 

ここが完全に抜け落ちているのです。「どういうお客様に食べてもらいたいか」「これを食べるとこんなに良いことがある」という「ご利益」がほとんどのメーカーのブースには書いてありませんでした。

 

商品はきっと良いものなのでしょう。だからこそ、「ご利益」を謳わないのは非常にもったいないなあと思います。

 

もう一つ「物語」が重要です。

 

例えば、「その商品が誕生した秘話」(失敗談など)や「生産者の熱い思い」を訴えるのです(この「物語」に関しては次回以降もう少し掘り下げて考えてみたいと思います)。

 

スペックだけではお客様は反応しない時代なのです。

 

ルートセールスばかりしている卸、メーカーは今後淘汰されていくと私は考えています。また、そういう卸、メーカーを頼ってばかりで、自分たちで何も考えない飲食店も当然淘汰されていくでしょう。もう、そういう時代に来ています。

 

今日のまとめ

 

➀スペックだけではお客様は反応しない

➁「ご利益」と「物語」を謳って初めてお客様は反応する

コバンザメ商法で良いじゃないか! 小さな飲食店は、大手企業のやり方を何故参考にしてはいけないのか理解できない。

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どうも、こんにちは。

本日、私の店は両店舗とも、お陰様で非常に忙しく営業させて頂きました。ありがとうございました。

 

さて、私たちのような小さな飲食店がする販促と、資金力が豊富な大手企業がする販促のどちらが優れていると思いますか?

 

何をもって「優れているか」というのは難しいですね。私たちのような土着の小さな飲食店と大手のファミレスとを単純に比べるのは少し違う気がします。

 

でも、確実に一つだけ言えることがあります。

 

小さな飲食店と大手企業との間には「圧倒的な情報量の差が存在します」。

 

桁が3つ4つ違います。私たちのような小さな飲食店は絶対に敵いません。覆すことは出来ません。

 

(自称)コンサルタントの方は小さな飲食店に対して「大手のやり方をマネてはダメです」なんて言いますね。

 

これは半分当たっていて、半分間違っています。

 

大手は情報量において圧倒的に私たちより有利なポジションにいるわけです。これを認識して下さい。絶対に敵いません。張り合うのは諦めてください。

 

だったら、大手がやろうとしている情報をいち早くキャッチし、徹底的に分析するのです。そのうえで、マネ出来る部分はマネ(ある程度カスタマイズはしましょう)し、逆を行った方がいいなあと言う場合は逆を行ってください。

 

とにかく大手の販促を徹底的に研究することが大切です。

 

例えば、いくつか参考にすべき大手企業を上げると

 

 セブンイレブンユニクロしまむらニトリ

 ディズニーランド・USJ

 Amazon

 マクドナルド

 ジャパネットたかた

 

飲食店という枠に限らず、様々な業種を見てください。商品構成はもちろん、陳列の仕方、在庫の持ち方、オファーの内容、プライスの付け方、商品名、プロモーション、接客の仕方、CMの打ち方などなど、、、とにかく徹底的に研究してください。

 

大手企業は莫大な「時間とお金」をかけてリサーチし、編み出したマーケティング手法を駆使しているわけです。

 

私たち小さな飲食店のオーナーはその大手の発想を利用すればいいのです。使い倒してください。

 

ある意味コバンザメ商法ですね。

 

「マック」や「セブンイレブン」が徹底的にリサーチして出店した立地の近くに、「日高屋」が後から出店するような感じです。つまり「日高屋」は「マック」や「セブンイレブン」のように「時間とお金」をかけて商圏をリサーチをしないで済むのです。これを「コバンザメ商法」と言います。

 

「私たち個人が思いつく、他を凌駕する様な斬新なアイデアなんてものは出てこない」と割り切る方が良いです。

 

それよりも大手のアイデアを拝借してアレンジした方が、圧倒的に時間を節約出来ますし、良いものが生まれます。

 

小さな飲食店は大手企業を毛嫌いして、バカにしがちです。この時点で思考が停止しています。そんな考えは金輪際やめましょう。そしてまた、大手をバカにするような発言をするコンサルタントは絶対に信用してはいけません。

 

 

今日のまとめ

 

➀大手企業のマーケティングを徹底的に研究しよう。

 

➁大手企業がやる販促において、マネ出来る部分は速攻マネする。または、あえてその逆を行く。

 

コバンザメ商法を恥じない。むしろコバンザメ商法の方が「成功への近道」だと考える。

 

 

 

 

POPをテンプレート化して大量生産する

前回POPに必要な項目をいくつかご紹介しました。

 

今日は実際作る際の体裁をどうするかということについて考えていきます。

 

私はここ数年、POPをテンプレート化しています。

10年以上試行錯誤してきた中で、反応が良かったPOPから導き出した結果です。

 

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 このPOPをご覧下さい。私が作って実際に店舗で使用していたA4サイズのPOPです。

最近はこのパターンでテンプレート化しています。

 

➀上部25%前後

一番上部に「ご利益」をドーンと書く!

 

この部分に「商品名とプライス」を書いてはいけません。お客様は「この商品を食べると得られる結果」つまり「ご利益」を求めているからです。これが所謂キャッチコピー(フレーズ)なわけです。これが「店側が一番重要で伝えたいこと」であり、「おきゃ様が一番知りたいこと」なのです。

 

「本場フランス産」とか「〇〇市△△町の吉田さんが作ったトマト」とかいう表記をする場合があります。生産者の顔が見えるというのは一見、安心安全な様な気がします。スーパーなども生産者の顔写真付きの商品を取り扱っていますね。でも、今これは最大のウリではなくなりました。差別化できなくなったのです。消費者の求めているものが変わってしまったからです(消費者が何を求めているかということは非常に重要なテーマなので回を改めて話したいと思います)。

 

重要なので何度も書きますが、お客様は「この商品を食べると得られる結果」つまり「ご利益」を求めているということを忘れないで下さいね。

 

➁中部50%前後

「写真」をドーンと載せる!

 

イラストよりも写真が良いですね。出来れば動きがある方がなお良いです。例えば、持ち上げたピザのチーズがビヨーンと伸びてるみたいなやつ。ラーメンの麺を持ちあげているショットもそうですね。この「持ち上げる」という行為を「リフト」と言います。そして、こういう動きがあるショットのことを「シズル感がある」と言います。

 

③下部25%前後

「商品名」「プライス」「希少性」「その他アピールポイント」

 

「商品名」については次回以降に詳しく見ていきたいので詳細は省きますが、「オーダーしたくなるワード」を必ず入れると良いですね。

 

「プライス」表記は高単価商品を売るときには控えめに書く(フォントをちょっと小さくする)。プライスを大きく書くと、そこばかりに注目が行ってしまって、ただ単に「高い商品」というイメージが先行し、オーダーに繋がりにくくなります。

逆にプライスを大きくアピールするときもあります。例えば、「激安商品」だったり、「値下げ商品」だったり、安さがウリの場合です。

 

「希少性」は必ず入れましょう。「期間限定」「旬」「数量限定」など、「何故今この商品をオーダーしなければならないのか?」ということを伝えると良いですね。これは「吹き出し」などで書くと伝わりやすいと思います(上記POP参照)。

 

「その他アピールポイント」とは例えば「とろーり」とか「シャキシャキ」などの食感がイメージできるワードだったり、「人気ナンバーワン」「店長一押し」など「他人の評価」などです。これらも「吹き出し」で書いてあげると伝わりやすくなりますね。

 

 

今日のまとめ

 

➀POPの書き方をテンプレート化すると、構成に悩まずサクサク書けるようになり、POPを大量生産出来る。

 

➁ただし、「ご利益(キャッチコピー)」と「商品名」の選定には時間をかけて深く考える

⇒ どの言葉を使うかで売り上げが大きく左右される。

売り上げをアップさせるPOPの作り方 5つの必須ポイント

先日ご紹介した壁面の黒板がリニューアルしました。私のアドバイスで店長が書き直してくれました。

 

こちらが「ビフォアー」です。

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こちらが「アフター」です。

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確実に良くなっていますね。

ビフォアーは30点です。アフターは60点と言うところですね。

でも確実にアフターの方が注文率は高くなるでしょう。

改善点は沢山ありますが、まずはこれでしばらく様子を見て、更に改善しようと思います。

 

「売り上げをアップさせるPOPの作り方 5つの必須ポイント」を紹介します。

 

➀見やすい

どうしても店側からすると、こだわった商品の場合、伝えたいことを沢山書いてしまいます。これは逆効果です。お客様は「POPを見ない・読まない・信用しない」ということを前提に作ってください。文字数が多いと、それだけで読みません。出来るだけシンプルを心がけてください。そして専門用語は使わない。中学生でも理解できる言葉をチョイスする。そして字は下手でも良いから丁寧に書くこと。

 

アフターの黒板だと「パワーサラダ」という聞き慣れない単語があります。これは流行に敏感な人なら分かりますが、そうでない人には伝わらないでしょう。それを補う改善が必要ですね。

 

➁写真やイラストがある

これはとても重要です。先ほどもお伝えしましたが、お客様は「POPを見ない・読まない・信用しない」のです。ならば、写真やイラストを載せることによって注目度を上げ、イメージをしやすいようにするべきです。SNS(例えばTwitter)のタイムラインを見てても、文字だけのものより、写真が載っている方が見ませんか?

 

アフターの黒板だと、「苺入りスパークリングワイン」のイラストが「ボトルとグラス」になっています。この商品のウリは「苺」です。だったら苺の写真またはイラストを載せるべきですね。打ち出しポイントがずれています。

 

③ご利益が書いてある

「この商品を食べると(あるいは飲むと)こんな良いことがありますよ」ということが「ご利益」です。これが一番重要なポイントです。私たちは「美味しいものを食べたい」というよりは「美味しいものを食べた後の結果」を重視するからです。例えば「痩せる」「お通じが良くなる」「肌がきれいになる」など。

 

ユニクロのテレビCMが参考になります。「スペック(機能性)」「バリエーション(色)の豊富さ」と「安さ(コスパ)」を訴求するだけでなく、例えば「ブラトップ」のCMの場合だと「私を一番軽くする服」というキャッチコピー、これが「ご利益」です。

 

アフターの黒板だと、左のカテゴリーの下の赤文字の部分です。正直、この部分がまだまだ弱いです。

 

まず、ドリンクの「恋の予感」というのは、もし私が書くなら「マジで恋する5秒前」とします(古いネタを持ってきて、クスっと笑わせるのが私の定番 ←オヤジ発想)。

 

次にサラダの「世界が注目するトレンドアイテム」というのは、「健康志向のセレブ達が毎日食べている今大注目のサラダ!!」とします。

 

ピザの「世界3大スープの1つ!あと2つ言えます?」というのは悪くないです。お客様に問いかけているので、注文の際に会話が生まれるきっかけが出来ます。会話が生まれると、他の商品もお勧めしやすくなりますからね。もし私だったらこのフレーズの後に「実は世界3大スープって4つあるんです」と書きます。こういうのって興味をそそりませんか?(気になる方は調べてください)

 

最後にデザートの「小野さんとこの仙波豆腐使用」というのはいうのは説明不足です。小野さんというのが誰だか分かりませんし、仙波豆腐が豆腐だと言うのは分かりますが、仙波というのが何だか分かりません。実はこの豆腐、超有名豆腐なのです。豆腐業界では知らない人はおそらくいませんし、実際有名な料亭などでも多く使われています。もちろん、めちゃくめちゃ美味しい。でも、この豆腐店の近くに住んでいる人だって知らない人もいるのです。私だったらどうするか?この豆腐は一丁330円するんです。普段食べるスーパーの豆腐は100円以下ですよね。だとしたらこの仙波豆腐がいかに高級かをアピールします。例えば「1丁330円の超高級豆腐を贅沢に使用!」なんていうのはどうでしょうか?

 

④希少性がある

期間限定、数量限定のように「今だけ」というのはみんな飛びつきますね。「何故今この商品を頼む必要があるのか」という理由が書いてあることが大切です。

アフターの黒板にはこれが書いてありませんね。改善が必要です。

 

⑤黒板が見やすい目線の位置にある

これは意外と盲点かも知れません。仮に良い内容の黒板が書けても、お客様の目線になければ、全く届きません。黒板が存在しないと同義です。黒板を設置するときは必ず、自分も席に座って見え方をチェックしましょう。スポット照明もちゃんとつけてくださいね。暗かったら見ませんよ。

 

さて、皆さんのPOPはどうでしょうか?本当はまだまだ細かいポイントがあるのですが、今回は特に最低限必要な重要ポイントだけを書きました。ぜひ参考にして下さいね。

 

口コミが起こるヒット商品の作り方は5つしかない

今、夏の季節商品の試作をしています。良いもの(つまり売れそうなもの)が出来そうです。今日は売れる商品の開発方法を紹介します。ポイントさえ押さえれば、実は意外と簡単です。

 

私たちは「美味しいもの」に出会ったときに、誰かに伝えたいと考えます。友達に直接伝えたり、インスタグラムなどのSNSを使って不特定多数の人に発信したりします。

 

でも、「美味しい」「ウマい」という表現以外に、グルメリポーターのような言葉で表現出来ないのです。

 

きっとあなたもそうでしょう。仮に飲食業界で働いていたとしてもです。

 

以前このブログで紹介した「経営者と職人の違い」について書いたことと関係してきます。まだ読んでいないよという方は下記のリンクからぜひ読んでみて下さいね。

 

2017-04-24から1日間の記事一覧 - 飲食店はPOPを作って売上・利益を上げていきましょう!飲食店の販促について考えるブログ!

 

2017-04-28から1日間の記事一覧 - 飲食店はPOPを作って売上・利益を上げていきましょう!飲食店の販促について考えるブログ!

 

さて、どういうことかと言うと・・・

 

ただ単に「美味しい」と言うだけではヒット商品は生まれません。

 

SNSで発信してもらえるような仕掛けをすることが大切なのです。

 

それではヒット商品を作るにはどういう仕掛けが必要なのか?

 

ヒット商品が生まれる仕掛けは次の5つしかありません。

 

➀ボリューム重視

 大きい、量が多い、はみ出ているなど。古典的で、従来から良くあるパターンですね。「ラーメン次郎」が典型的です。みんなスマホで写真を撮ります。ただし、このパターンは客質が悪くなることが往々にしてあります。注意が必要です。

 

➁動き重視

 動画を取りたくなるような、動きのある演出。客席でスタッフが盛り付けをして商品が完成するなど。最近だと「ラクレット」や「チーズタッカルビ」なんかはインスタやユーチューブで検索するといくらでも出てきます。今一番ホットな打ち出し方です。

 

③盛り付け重視 「カワイイ」「オシャレ」

 写真を取りたくなる盛り付け。主に若い女性向けですね。スタバのドリンクもそうだし、カフェの盛り付けなんかもそうです。ラテアートは典型的ですね(最近は3Dラテアートもあります)。ただし、このパターンは客単価が低くなる傾向にあります。

 

④値段重視 「極端に安い」または「極端に高い」

 採算度外視で安くするパターンだと、高級食材をジャブジャブ使っているのに、安く提供する「俺の〇〇」がそうです(最近は人気に陰りが見えますが…)。逆に付加価値を付けてめちゃくちゃ高くするパターンだと、コーヒーの「コピルアク」がそうです。何とコーヒー1杯8000円前後で売っています。当店でも梅酒1杯1500円のものもありますが、月に2~3杯出ます。ただし、「極端に安い」場合、客質が悪くなる場合が往々にしてあります。注意が必要です。

 

⑤上記のコンボ

 

下記の写真は当店で今試作中の季節限定リゾットです。こんなビジュアルだったら写真を撮りたくなりませんか?当店は女性しかターゲットにしていないので、常に女性ウケする商品作りを心がけています。ちびまる子ちゃんの花輪君をイメージしてみました?!

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今日のまとめ

 

ヒット商品には、ちゃんとヒットする理由がある。

 

「美味しい」だけでは口コミは生まれない。

 

「ビジュアル」が最も大切!